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セールボートのキール part2

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 先週、キールを取り外して修理しているヨットの記事を書いたが、年式は新しいが、同じビルダーで建造された36フィートのヨットをお持ちのオーナーさんがキャビンテーブルや床板を外してキール取り付け部の点検をされた。ついでにキールボルトの締め増し行うという。

 ↑画像はキール取り付けフロアを上から撮った画像である。キール付近を強化するインナーハルのフレームが通っている。キールは16mmのSUSボルト11本で取り付けられている。うち、最前部のボルトには避雷用のマストアースが接続されていた。

セールボートのキール part2_c0041039_11142483.jpg 艇内のビルジは全てキール中央部の10cm角×深さ10cm位のビルジ溜まり集まる。船体と一体に成型されているようだ。ここには電動ビルジポンプのサクションホースが差し込まれていた。同じく隣には手動ビルジポンプのフィルターが見える。この部分でキャビン床下までの深さは20cmくらいか。

 プロダクションヨットでは同じ方法で建造するビルダーも多いので画像のようにキールを取り付けているヨットはよく見る。昔のヨットは簡単にキールボルトも点検できたが、最近のクルージングヨットはキャビン内に立派な造作があるので点検しにくいヨットもありそうだ。

 一方、このハーバーのレーサー達に人気のあるXヨット社のキールは「亜鉛メッキの鋼鉄ガーダーシステム」と言われる構造になっている。

セールボートのキール part2_c0041039_11144797.jpg 鋼鉄のフレームが艇体にFRPで固定されマスト・キール・リギンの力を受けとめて、車で言えばフレームの役目を果している。計算では2Gの急停止(例えれば、9.5ノットのスピードを60センチで停止しても、艇体の構造には損傷が発生しない)に耐えることが出来る。  (135°E さんのWebより引用)

 ←画像はボクの仲間の38フィートのクラブレーサーのキール取り付け部分だ。亜鉛メッキのガーダーの手前側はマストステップである。その先に30cm×15cm×深さ20cm位のビルジ溜まりが見える。これはハルから小さな逆台形(キール様)の突起物とし艇外に出ているが、バラストキールの切り欠け部と合わせて一体にFRP積層されているので外からは勿論見えない。

 このようにヨットのキールはデザイナーやビルダーによってキールの材質・形状や取り付け方法も様々である。材質もよく、強度もあり、しっかりと手間の掛かった構造になっているフネは当然船価も高いということでしょうね。

by pac3jp | 2007-12-26 11:20 | ヨットの艤装と艤装品  

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