ヨットのキールさまざま

c0041039_9405663.jpg ヨットの船型が進化してきた過程で、キールのデザインがヨットの性能向上に大きく関わってきたことは間違いないだろう。ボクも高性能のヨットが一番いいヨットだと思い込んでいた時代にはアメリカズカップ艇やそれらの新技術を取り入れた外洋レーサーなどが理想のヨットのように思い込んでいたし、最新の流体力学によって設計されたキールがいいものだと信じていた。

 だが、ボクもヨットの遊び方が変り、ショートハンドのクルージングだけになってくるとヨットに求める性能は「波浪中の乗り心地、積載力、扱い易さ、浅い喫水、機走力」と帆走性能の向上とは全く正反対の条件が並んでくる。そしてそのような目でヨットを見れば又違うタイプの船型が、あるいはキールの理想の形が見えてくる。

 まず、画像(上)かなり過激なキールだ。幅が狭くてかなり長く下部に大きく重いバルブをつけている。メル・サカに出ていたオージーのレーサーだ。上架してなにやらキールの取り付け部をさわっていたがそのあたりに問題があったのかもしれない。

 画像(下)は最新のX-35fワンデザインレーサーのキールだ。このキールはバルブが付いているが、新しいファー47などのIMSレーサーはレーティングを考慮したのかストレートのキールに戻っているようだ。

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 ヨーロッパの大ビルダーのプロダクションボートのデザインはレースで好成績をあげたデザインをベースに普通のヨットマンでも乗れるフネに仕上げて販売される。従って船型もキールもよく似たタイプが付けられている。上の画像は比較的新しい50f前後の2艇を較べてみた。
 左は大型のジャヌー。右は同じくXヨットのものだ。レーサーよりは多少浅いキールがセットされているがよく似ている。

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 一方クルージングヨットマンに好まれるのは少し重めの中排水量や重排水量タイプのヨットだ。このタイプのフネのキールは最新のプロダクションヨットよりも前後に長く、デザイン的には古いがクルージング的な使い方ではメリットはある。画像(左)は大分古いファーストだがキールはこれ位のサイズが安心できる。
 画像(右)はアメリカ東海岸製で伝統的なスタイルでお金持ちに人気のヒンクリー42のキールだ。高級ヨットだがデイセーラー的に使うオーナーも多いらしと聞いている。

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 ヨットレースをしていた頃はロングキールのヨットなんて大昔に作られたクラシックヨットだけだろうと思っていたが、そんな事はなかった。ロングキールの愛好者は多く、今でもアメリカのアイランドパケットや北欧のナウティキャットなどロングキールやセミロングキールの新艇が沢山売られている。ここのハーバーでもロングキールの新艇が毎年進水している。ロングキールは直進性は良いがどうも後進が難しい。新型のナイティキャットは皆さんサイドスラスターを2基も装備して後進も旋回も自由自在だが本当のクラシックヨットは苦労している。
 画像(左)は38f、船齢40年の木造ケッチ。ロングキールだがスラスタがないのでバースの出入りに苦労していた。「僕の腕ではここは無理!」と、最近広いバースに替わっていってしまった。

 それで、あんたのフネはどうなんだと言われるが、重排水量タイプのヨットで喫水は1.7m、深い船体に前後には長いが短いフィンキール画像(右)が付いていて、下部は丸く膨らんで重さ3.4トンのバルブキール風になっている。キールの側面の上部分は深めのビルジウエルだ。こんなキールなのでレーサーのようにきっちりと風上に上るのは難しい。後進は長めのキールとスケグが邪魔して操船には少しだけコツがいる。でも波のある海面では乗り心地は良く、深い船体には充分な積載力はある。クルージングはレースと違い風上に向かって走る機会はわりに少ない。フリーのコースでは程々のスピードはあるのだから問題ないね。

 やっぱりこのキールがボクにとっての理想のキールなんだなと思っている。(^^♪
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by pac3jp | 2007-06-18 09:52 | ウオッチング  

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