救難食糧を試食する

c0041039_9244468.jpg 今年は2月にまぐろ延縄漁船が遭難し、乗組員がラフトに乗って漂流、全員無事に救出された事件があった。「救命筏の非常食を食べながら救助を待っていた」と報道されたことからこの非常用食品に世間の関心が増したようだ。

 先日、近海仕様のヨットに搭載されているライフラフトの定期検査の時期がきて、期限切れの救難食糧を試食しようと言うことになった。

c0041039_9285388.jpg 防水されたプラスティックのケースに入った救難食糧(一人前3日分、ビスケット12枚入り)を出してみた。中にはアルミで真空パックされたビスケットとB5サイズの印刷物が入っている。文面は「がんばれ! 必ず救助される」と日本語と英語で書いてある。1日4回 1食にビスケット1個だけ食べるように指示してある。法律には「食糧は定員一人当たり一万キロジュール飲料水は定員一人当たり一・五リットル」と規定がある。

c0041039_9294334.jpg 早速、国が定めた1個 208KCALのビスケットを真空パックから取り出して開けてみた。凡そ6cm×5cm×厚さ2cm位の白っぽい塊だ。かじってみると少し堅いがポロポロと欠ける。味はカロリーメイトに似ているようにも思う。まぁ充分食べられる。でもこれ1個ではお腹が空くだろうと思うが、ラフトの中でいつ助けがくるか分らないので全部食べずに半分だけで我慢したと、無事に生還した人の話もあったね。

 ビスケットを試食していると、近くライフラフトを購入しようとしているオーナーが「沿海用では食糧も飲料水も入ってないよ」とおっしゃる。
 そうです。沿海用、限定沿海用では沿岸から近い海域しか航行しないので、遭難してもお腹が空くまでには救助がやってくるという想定なんです。客船や貨物船、漁船などは通信設備が完備しているので遭難時にも捜索救助機関に連絡し易いが、ボクたちのヨットは本船に較べて通信設備は貧弱だしクルーも少ないので的確に救助要請が出来ないこともある。沿岸近くで遭難しても発見は遅れるかもしれない。せめて、飲料水と食糧は自前で入れて置きたいもんですね。



船舶救命設備規則によると、沿海区域を航行区域とする船舶は前項の規定(全ての艤装品リスト)にかかわらず以下の艤装品は備え付けることを要しないとある。

救難食糧、飲料水、コップ、応急医療具、船酔い薬、船酔い袋、保温具、缶切、はさみ、笛又は同等の音響信号器、釣道具、行動指導書、生存指導書、救命信号説明表、水密電気灯、日光信号鏡、海面着色剤並びにナイフ、あかくみ、スポンジ、シー・アンカー、落下傘付信号、信号紅炎及び発煙浮信号(定員十二人以下の救命いかだにあつては、スポンジ、シー・アンカー、落下傘付信号、信号紅炎及び発煙浮信号)の二分の一

結局、沿海用のライフラフトの艤装品内容はゴムボートの維持補修のための道具と救難信号類だけが搭載されている。

艤装品の名称   艤装品の数        
浮輪         一個
あかくみ       二個
スポンジ        一個
修理用具       一式        
落下傘付信号     二個
信号紅炎       三個        
発煙浮信号      一個      
レーダー反射器又はレーダー・トランスポンダー  一個
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by pac3jp | 2007-04-06 09:33 | ヨットの艤装と艤装品  

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