木製ブームのスカーフ継ぎ

c0041039_912635.jpg 前に太い木製ブームが折損したとの記事『折れたブーム』を書いたが、修理が進んであらかたブームとして形をなしてきたので少し工法など簡単に紹介したい。

画像は折れてしまったブームのクリューの部分だ。工事はこの部分を節のない赤松でスカーフ継ぎで復元させることである。

c0041039_1045293.jpg 工事計画ではまず、赤松の割り材で45cm×45cmの角材に挽き、仕上がったときの反り具合と削り出したときに外部に露出する部分が柾目になるように4枚の厚板に積層することから始まった。



c0041039_93197.jpg 

 まず、本体ブームの半面を荒削りする。中心部を段削りし、外側になる部分と継ぐスカーフを削る。スカーフ継ぎは厚さの8倍以上のの接着長さが必要といわれている。





c0041039_9113578.jpg 
 芯部分の厚板が接着され、外側部分の厚板が裏返しでスカーフ削りされている。すりあわせをしてスカーフ部分と芯の厚板がブーム本体とエポキシ樹脂で接着される。





c0041039_9133974.jpg ブームの半面が出来上がれば反転させて同じように段削りをし、スカーフ削りで同じように接着して四角い形に造る。そこで金具の取り付けに必要な貫通ボルトの穴を開けるのだ。(円材になってしまうと正確に多数の穴を開けるには難しい)
ブームエンドは最終的に長さを決めるので余裕をもって長くとる。エンドの支えにも有効である。

c0041039_9165865.jpg
 ブームに上下のスカーフ長さの違いに注目。
 







c0041039_918441.jpg ブーム中央部の補修。ブームエンドが折損した時、そのストレスが中央で最大になり部材が裂けた部分があった。削ってみると以外にも金具の付いてないブーム中央部は中空構造になっていたそうです。こんな重いブームでも出来る限り軽量化が図られたのでしょうね。



c0041039_9224280.jpg 貫通穴が開けられたら荒削りされ、そのあと円材としてスムースなカーブに仕上げされる。また移設される金物やブームエンドの金具が付く部分は細かく調整し削り出される。






c0041039_9235816.jpg まだこのブームについていたケヤキ製のシーブケースなど小物の付属品は出来てなかったが、近くすべて出来上がるだろう。修理を担当したヨット屋さんによると、部分的に修理するより新品を造った方がずっと簡単だとおっしゃっていた。でも船齢100年にもなるクラシカルなスクーナーはもう立派な文化財である。修理して正解。しっかりとオリジナルは残すべきですね。

 やがて修理されたブームが装着された大型ヨットが大阪湾でも華麗な帆走を見せてくれることもあるだろう。大いに楽しみである。
[PR]

by pac3jp | 2007-01-19 09:49 | シーマンシップ  

<< トイレの故障 12年前、阪神淡路大震災のとき・・・ >>