ロングクルージングボート

 週末のビジターバースにオーストラリアからやってきた40~43fでスチールのクルージングヨットが泊っていた。船籍はホバートになっている。クルーは男女のカップルだそうだがその日は観光にでも出掛けたのかヨットには不在だった。
 11月にも同じくオーストラリア・シドニーからファミリーヨットが来ていて、小さな二人の子供が楽しそうに桟橋を自転車で走っていた。そのフネはいつも洗濯物が満艦飾で生活感が溢れていた。そのヨットもチャインのついたスチールヨットだった。
c0041039_10102736.jpg

 日本で一時、ヨットの自作が流行っていた頃にバンデスタットの図面で誰かスチールヨットを造っているという舵誌の記事を読んだことがあった。確かにワンオフでつくる木造のヨットは高価な木材と充分な造船木工技術が必要だが、鋼板でつくるスチールヨットは木工技術よりももっと一般的な金属加工技術でこなせるのだ。木材は切り間違えたらパーだが鋼材は溶接も簡単だ。鋼材は叩けば曲がる。もっと叩けば伸びてくる。造船素材として品質規格のそろったものがどこでも安価で入手できる。

 またクルージングボートとしても航海中に起こる漂流物との衝突にも木製やFRP製に較べて大変強い。FRPなら破砕してしまう衝撃にも凹むだけで済む。でも重いこと、サビに弱いことが欠点とした言われるが、重さはフネのサイズが大きくなればそう変らなくなる。サビについてはプレジャーボート以外のほぼ全ての業務用船舶は鋼鉄で造られている。いい塗料もサビ止め工法も確立しているので心配ないのだ。
c0041039_10105082.jpg

 このヨットはロングクルージングのための装備は殆ど付いている。バウデッキにデインギー、帆装はカッターリグでマストにはマストステップがうってある。大きなドジャーの前にはライフラフトが、その隣にキャビンヒーターの煙突が見えている。船尾ポールに風力発電機、隣にレーダー、スターンパルピットにソーラーパネルが左右両舷の2枚、8kgプロパンボンベが2本、トランサムにはウインドベーンがある。

 そんなクルージングヨットを眺めたあと友人のヨットでお喋りをしていると、上昇志向の彼は世界地図を出してきて、「もし、ヨーロッパから日本への航海ではどこを通るの?」と聞かれた。ボクは「多分、距離が近いのは地中海からスエズ運河・紅海を経由しインド洋・太平洋となるんだろうね」という。でも紅海はイスラム過激派が、マラッカ海峡の海賊も怖そうだしと、計画もないのにもう心配している。

 ところで誰と乗るの?と聞くと、彼の奥さんはそんな危険な航海には当然来てくれないので、彼と彼と、と仲間数人の名を挙げた。でもヨットのロングクルージングでうまくやってゆけるのは昔から男女のカップルか、ファミリー単位だと言われている。中高年男性グループだけでなんて一週間でもかなり難しいかも・・・。
[PR]

by pac3jp | 2006-12-27 10:13 | ウオッチング  

<< 西宮浜ボートパーク着工? ヨットの避雷針 >>