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ボトムの小さい穴

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 上架して船底塗装している大型ヨットのボトムを眺めていると何かの部品取り外した後のボルト穴のようなものが左右の船底にあいている。下から覗いても船底を貫通しているようには見えなかった。普通船底を貫通している金物はブラスやブロンズの左の画像A・Eのようなスルハル金物を使っていてそれは船体外部に出る部分は薄いマッシュルーム(A)のような出っ張りがある。でもそんなスルハル金物はまったく見当たらない。不思議な穴だなぁと思っていた。

 整備しているヨット業者にお聞きすると普通のスルハル金物はついてないが、同じ目的の穴だそうだ。ボトムの出っ張りがわずかな乱流を起し、それが少ない程ヨットのスピードロスがないのだ。「このフネはプロダクションヨットだけどビルダーでボトムの凹凸がなくなるようなフラットなスルハル構造に造ってくるんですよ、凄いですね」とヨット業者がおっしゃっていた。それでよくよく穴の奥を観察すれば確かにボールバルブのようなものが見えた。でもこのヨットにはスピードセンサーを除いて大2個、小7個と合計9個の穴が開いていた。

 そこで陸置されている純レーサーを下から眺めてみるとボトムからスルハルのフランジが出っ張っているヨットはほぼないし、ボトムの穴も小さくて少ない。僅かに出ているのはスピードメーター用だ。これは計器の構造上フラットに出来ないのかの知れない。40f以上のヨットでこんな僅かな船底開口部だけで快適なヨットライフは出来そうにないなと思うが、クルージングヨットではないので大きなお世話か。

 ボクのフネはスピードロスなんてことはお構いなく造ってあるので船底にはスピードセンサーを含め11個のスルハル、大きなアース板、冷却水インテーク用ストレーナ等がついている。大きな口径のスルハルは海水インテークと両舷デッキ、コクピット、トイレ、ギャレー、洗面台の各排水口だ。小さな径はギャレーの海水、トイレ給水口である。

 ヨットレースを主に楽しむヨットと純クルージングヨットの船底フィッテングだけ較べても大分違う。もっと違うのはその船底の滑らかさだ。我艇はかなり以前に塗った船底塗料がアバタ状になっていてもそう気にせず塗り重ねているが、そんなフネはいない。彼らはきれいに仕上げたペイントの上からさらに細かいペーパーを掛けて研いでいるのだ。

 クルージングヨットの名誉のために言っておくが、全てのクルーザーがそのようにいい加減に船底ペイントを塗っている訳ではないのだ。上記はボクの整備方針?によるものであって、ボクの適当な性格が反映しているのだろう・・・ネ。

by pac3jp | 2006-12-22 09:25 | ヨットの艤装と艤装品  

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