佐世保 旧針尾電信所

 ハウステンボスに入るとき、急潮で有名な針尾の瀬戸を通るが、初めてこの瀬戸に取り付いたとき、曲がりくねった水路の向こう岸に巨大なコンクリートの塔が三本見える。煙突にしては下に工場がないし、無線塔にしてはアンテナ線がない。歴史的な構造物にしてはそんなに古びてないし、何だろうと思って気になっていた。

 そんなとき、友人から旧海軍の電気系技術士官が書いた本をお借りした。その中に針尾電信所の概要が出ていたので例のコンクリート塔についても理解できた。そしてこの無線塔は1941年12月2日、広島湾内の連合艦隊旗艦「長門」の司令部から出された真珠湾奇襲攻撃を命ずる「ニイタカヤマノボレ1208」の暗号電報を太平洋上に展開していた旧日本軍全軍に発信したといわれていることも知った。
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 そんな針尾島に今度は「イージス艦発射型の 新型迎撃ミサイル(SM3)の点検整備を行う日米共同の施設建設を検討。」という新聞ニュースを見た。


弾道ミサイルを迎撃するミサイル防衛(MD)計画で防衛庁が、イージス艦発射型の 新型迎撃ミサイル(SM3)の点検整備を行う日米共同の施設建設を検討。長崎県佐世保 市の米海軍針尾島弾薬集積所周辺の海上を埋め立てる案が浮上していることが4日、明らか になった。  MDは本格的運用に向け、日米共同の情報ネットワーク構築などが進められているが、 武器関連の共同施設計画が分かったのは初めてで、日米の一体化を加速する動きといえ そうだ。  米海軍と海上自衛隊が導入するSM3は、発射された弾道ミサイルを高度200-300キロの宇宙空間で迎撃する米国製のミサイル。次世代型では日米共同開発が進んで いる。従来型の10倍以上の高度に到達させるためミサイルを3段式に改良、データの送 受信装置も複雑化しており「点検、整備には高度な設備と技術が必要」(海上自衛隊幹部) という。  関係者によると防衛庁は、施設や機器類だけを日米の共同利用とし、ミサイルの点検、 整備は米軍と海自の担当者が自国のものだけを厳密に区別して行うことを検討。トラブル などの際、米側から適切な技術指導が受けられ、コストダウンにもつながるとしている。 建設候補地はJR佐世保駅の南東約5キロにある針尾島弾薬集積所の沖で「牛ノ浦」と 呼ばれる佐世保湾の入り江。1・5平方キロメートル程度を埋め立てると、入り江を挟み 西側に隣接する海自弾薬庫の敷地と地続きになり、日本側も使用権を持つことになる。 このため、SM3の共同整備棟や管理棟を造るには適地と判断したもようだ。  防衛庁関係者は「SM3の点検、整備用施設は規模が大きくなる。1カ所にまとめた方が 効率的だ。米側への提案を経た上で、数年内には方向付けができるのではないか」と話して いる。
  ◆(共同通信)◆


 佐世保はアメリカ海軍の基地があり、第7艦隊の大規模な燃料貯蔵所が、そして沖には海兵隊が使う大型の強襲揚陸艦が泊っている。湾内の針尾島には米海軍・海兵隊の巨大な弾薬庫もある。ここから湾岸戦争当時も、そしてイラク戦争にも燃料や弾薬が戦地に送られたのだろう。平和な町で暮らしていると国の安全保障なんてよそ事のように思えるがここでは現実に港の沖に米軍艦がいて、新型迎撃ミサイル整備基地、自衛隊・米軍弾薬庫と軍事施設が点在し、町には米兵が歩いているのを見るとアメリカの世界戦略の中に組み込まれた日米安保の形が身近に見えるように思うネ。
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by pac3jp | 2006-12-18 10:02 | 歴史・民俗  

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