マストが折れていた!

 そのヨットはここのハーバーに係留する多くのヨットの中で木のマストを持っているたった3隻のヨットの1隻であった。

c0041039_9512852.jpg ハーバーのヤードにスプレッダーの上から3本に折れてしまったマストが艇の横に置いてあった。そのマストは船齢60年~70年はなろうかと思われる古い木造ガフリグスループのものだ。このヨットは10月の終わり頃、ハーバーの開港記念レースに参加すべく他のヨットと一緒に出港していった。でも後で聞くとどうもスタートをしなかったようだった。当日は微風のレースなのにどうしたのだろうと思っていた。


c0041039_952855.jpg 折れたマストの折れ口を見ると裂けたような割れはない。接着剤が着いている部分もあるが、木材の強度が無くなってしまってポッキリと折れたようになっている。他の部分も同じような断面だ。全体を観察するとマストのスプレッダー下の部分はスカーフ継ぎされた木質が新しい。でも上部はニスが薄くほとんど切れかかっているように見える。マストを支えるスプレッダーは紫外線や雨水に対する面積が広いのでより激しくニス切れがあり、木質に腐朽部分がある。

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 木製のクラシックなヨットは紫外線と雨水に大変弱い。建造方法にもよるが上架中の乾燥にも弱いタイプもある。そんなヨットをメンテナンスするのは手間暇がかかるのだ。毎日、デッキの点検から始まり、キャビントップの塗装は大丈夫か。マストやスプレッダーにニスの剥がれはないか。ハルに擦り傷はないかと気を配る。気になる箇所は素早くタッチアップしておくことが必要だ。雨水がデッキ裏に入ってしまい、天井から雨漏りするようではもう既に重症になってしまっている可能性もある。マストやスプレッダーのニス切れを見逃すとやがて上の画像のようになってしまう。

 このマストをオーナーさんがどう修理するのか知らないが、風情のあるクラシックなヨットにアルミのマストは似合わない。昔通りの木製マストに復旧させてもらいたいものである。前にもこの港に同じような状況になったヨットがあった。だが、オーナーはアルミマストにしてしまったのだ。外野席からとやかく言うのもおかしいが、クラシックヨットは文化財を所有しているのと同じなのでそれなりに社会的責任?があるのかも・・・。

 ボクもクラシックで優美なヨットに魅力は感じるが、それを整備し維持してゆく資金も技量も、はなからないので傍で見せてもらうだけで充分だね。
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by pac3jp | 2006-12-08 10:02 | ウオッチング  

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