笠沙恵比寿

 いつか週末の飲み会に「笠沙恵比寿」の焼酎が出てきたことがあった。芋焼酎は鹿児島が本場で数多くの銘柄があるが、そのラベルに気がつくのは多分、鹿児島・野間半島の根っこにある野間池漁港に入ったことがある人だけだろう。

c0041039_1329503.jpg ボクは昨年、05.4.18日カツオ船で混雑している枕崎港から海を渡って風車が何本も立つ野間半島をぐるっと回って、ここにやってきた。港は丸い池のような形をしたこじんまりした入り江の中にある。入り口には防波堤が2本出ているが一番手前の南側入り口から入ると、ここは普通は使わないのだろうか、あるいは初めてこの港に入ってきたヨットと見てか、出港中の年配の漁師さんが自分について来いと言うような合図をしている。ありがたく付いてゆくと「笠沙恵比寿」の浮桟橋に案内してくれた。そして礼をいうまもなく彼は沖を目指して走り去った。初めての港で親切にされるのは本当に嬉しい。
 あとで思うと、この港の人々はヨット文化を理解できる素地がずっと前からあったのだ。

c0041039_1330223.jpg この人口僅か3800人の笠沙町に世界一周したヨットマンが3人もいるそうだ。そして浮桟橋の隣にアンカリングで世界一周を2回もやったヨット「TARASINE」が海上展示してあった。28fくらいの自作艇だと聞いているが、暫く使われていないようでデッキにロープが乱雑に積んであり、寂しげに繋がれていた。

 「垂乳根」、20年くらい前だろうか、世界周航の旅を終え、小さな混血の息子と鹿児島に帰ってきた時の記事をKAZI誌で読んだことがあった。ボクは当時その記事を読んで「世界の海を巡り、恋と冒険のホント、夢のような航海をしてきた羨ましい人だなぁ」と思った記憶がある。その後、そのヨットを借りて今度は今給黎さんがシングルで太平洋を往復したのだ。そしてまた数年してこの町のヨットマン二人がこの「垂乳根」を借りて2年間世界一周の航海を無事成し遂げたのだ。まぁ航海をする人も凄いが、自分のヨットをそんな長距離の冒険航海に貸してしまうオーナーももっと凄いと思う。

 今年は仲間のヨットもここに寄ったようだ。楽しかった感じが読み取れるような文章で航海記が綴ってあった。KAZI誌の編集長が書いたエッセイにも「いま行ってみたい泊地」にでてくる。また夏に小豆島の漁港で漁師さんと昔話をしていたとき坊津や野間池の話が出てきた。昔々彼らはここまでハマチの稚魚を買い付けに来ていたそうだ。

 そんな事でボクが勝手に選ぶ「お気に入りの泊地」のリストに野間池漁港「笠沙恵比寿」を加えることにした。もっとも今回初めての企画?なんで第1号になる。でもチョット遠いのでたびたび訪れることは出来ないが機会があれば是非とも再訪したいと思っている。
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by pac3jp | 2006-11-20 13:42 | クルージング  

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