スライダーに乗った救命艇

c0041039_8265953.jpg 神戸港に入ってくる大型のコンテナ船やRORO船を見ていると船尾のかなり高いところにある滑り台に乗った救命艇を良く見かける。それを見ると昔乗ったことがある遊園地のウオータースライダーを連想してしまう。
 そして遊園地のボートよりももっと高く、傾斜も急で、着水までに空中を15mも落下する場面もあり、スリル一杯の救命設備であるが、中に乗っている人はどうしているのだろうかと心配する。窓の無いずんぐりしたどんぐりのような救命艇で海面に向かって落下しているときはどんな気分なんだろうか。確かに本船からの脱出は早いだろうが怖いでしょうね。

c0041039_8274055.jpg 飛鳥Ⅱの救命艇は船客が専用デッキからボートに乗り移り易い構造になっているし、窓のある救命ボートもある。海面に降ろす場合はダビットに吊られてゆっくりと降ろされる。

 救命ボートで本船を脱出するときは座礁や衝突で沈没の恐れがあったり、船火事で生命の危険が迫っているときだろう。船が傾いて両舷にある救命艇も片舷のボートしか降ろせない場合もあるので片舷ボートだけで定員を満たさなければならないそうだ。船を捨てて救命ボートで脱出する場面はタイタニックをはじめ船舶パニック映画のクライマックスだが、映画同様、救命艇の運用は危険が一杯だ。

c0041039_8281921.jpg 画像は海岸に打ち上げられた救命艇の残骸であるが、このボートは台風で鹿児島・志布志湾で乗り上げた貨物船のものだ。ダビットに吊られ海面に降ろそうとしたが、風波で救命艇が本船の船体に打ち付けられて大破、結局乗組員は救命艇からも脱出し多くの死者を出した。

 一方ヨットの場合、近海以上は救命筏(ライフラフト)の搭載が義務付けれれているが沿海区域仕様では艇を捨てて脱出する時の救命設備は「救命浮器」である。浮力体が入った四角い箱に手掛かりのロープが付いている。4人掴まれる物が4人用で6人掴まれる物が6人用の浮器だ。
 ライジャケを着け、この浮器に掴まり救助を待つのだ。限定沿海ではそれもなく、ただライジャケと小さい浮環だけで救助を待たねばならない。季節にもよるが救命筏(ライフラフト)に乗れるのと天と地の違いはある。

 でも船検で救命筏の搭載義務はなくても用意の良いヨットマンは自分のためにチャンと準備しているもんだ。
 ボクもライフラフトは欲しいが本体の価格も高く、更新にもかなりの費用が掛かるので手が出ない。航行区域を変える時には仕方がないが、今は救命浮器に掴まらなくてはならない事態が起きないことだけを願って安全にクルージングしている。

※参考:外航船に必要な救命設備
[PR]

by pac3jp | 2006-11-08 08:36 | 貨物船  

<< スターンのアンカーローラー装備 クルージング3日目 コックのこと >>