久しぶりのスピンラン

c0041039_10584739.jpg 先日、クルージング仲間の帆走会と称する懇親レースに参加した。当日は昔レースをやっていた頃の顔ぶれが久し振りに揃った。揃ったといってもたったの4人だけだ。お天気も穏かそうなので今日のレースはスピンを揚げることにした。前にあげたのは3年前だったのだろうか、もうすっかりいつ頃揚げたのか忘れてしまった。

 我艇のスピンポールシステムはディップポールシステムなのでシートとガイが各2本づつ必要だ。コクピットにはガイとシートが4本、ツィカー2本、フォアガイ1本それにジブシート2本、とメンシートの合計10本のロープがコクピットの床にとぐろを巻いている。
 デッキでは「シートの取り回しがおかしいなぁ、ツイーカーはどこにつけるの・・・」と誰かがいっている。もうすっかり忘れている。

 日頃からレースをしているフネならシートやガイのブロックが付いていたりフォアガイのロープがコクピットにリードされていたりするが、純クルージングヨットにはそんなものは全く付いてない。ただ、スピンポールのコントロールロープのみマストに付いているだけだ。長く使ってないスピン関係のスライダーやポールのトリガー、スナップシャックルの可動部に注油して準備する。

 それでも何とか艤装が出来たようだ。スタート海面に向かうと東6~8ktの風。第1マークにはアビームになる。出来るだけ東よりから出てスピンが上がるコースを狙う。 午前11:00スタート。狙い通り一番風上からスタートができたが、風は良く振れ、前に回ったりするが、とにかくスピンアップの合図を送る。フォアデッキがハリヤードを引くが途中で息が切れてトップまで上がらない。アフターガイが応援に行きやっとスピンは上がりきった。
 重いフネでもフリーのコースはスピンの馬力で何とか滑ってゆく。スピントリマーも長い間ご無沙汰の仕事なのでどうもシートを引きすぎるように思う。スピードが乗らない。ライバルも遅ればせながらもスピンをあげて追いかけてきた。でも、第1マークは辛うじて我々がトップで回航した。

c0041039_1059434.jpg 第2マークまでは微風のクローズホールドだ。重排水量タイプのクルージングヨットが最も苦手とする帆走コースである。すぐに後続のジャヌー32に追いつかれ、抜かれてしまった。でもこの風でタックをすると止まってしまうのでスピード、スピードと念じながら長いクロスのコースをセーリングした。
 第2マークを回るとフリーのスピンコースになるので何とか前に追いつこうと思っていた。第2マークを回るとコースの前方に土砂運搬用のバージが多数アンカリングしている。強風のクロスでは危険な障害物だが、微風の追っ手ならたいした事はないと思い勇躍スピンを揚げた。今度はうまく揚がった。でももう「はぁはぁ」言っている。
 みんな15年前はこんな作業は何ともなかったのだ。でも30歳だったクルーは45歳になったし、45歳だったクルーはもう定年退職の年齢だ。いまや彼らも仕事で体力を使うことは殆どない。キーボードを叩く指を動かすだけになってしまったのだ。でも昔と同じポジションでクルーワークをやっている。

c0041039_110822.jpg 猛ダッシュとは行かないが、風は東6ktで艇速2ノットでボチボチと追いかけてゆく。スピンのコースはクローズドホールドと違ってクルー全員に担当の仕事があるの皆さん共に忙しい。
 前方のバージ群に入ってしまった頃から風が落ちてきた。スピンが孕まなくなってきた。風速計は2kt~1ktに遂に0ノット、無風になってしまった。スピンを下ろしジブを出し、新しい風を待つことにしたが、僅かに逆方向に潮の流れがある。時々タバコの煙が流れるくらいの空気の流れはあるがフネを進める程の風はない。
 その内僅かな流れと風で付近のヨットと共にが3000トン積みの鋼製バージに寄せられてくる。バージは頑丈だがヨットは繊細な乗り物なので、迷わずエンジンを掛けて衝突を回避する。

 まだ期待の風は吹かないがバージ群の中で各艇はレースを続行中である。またもやノーコンになりバージに衝突の恐れもあったのでレースはリタイヤすることにした。

 でも、懇親レースは完走出来なかったが、久々のスピンランも出来たし、それにスピンの虫干し、シート・ブロック類の点検、艤装の確認、確実に落ちてしまった体力の認識と、それなりにチームの皆にとっても有意義な一日であったことは確かだ。
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by pac3jp | 2006-10-30 11:01 | シーマンシップ  

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