自衛艦旗(軍艦旗)

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 国体セーリング競技の運営にはいつも海上自衛隊が協力していると聞いている。今回もレース海面の沖に掃海艇「くめじま」(490ton)が停泊している。小さいけれどしっかりと軍艦のシルエットとして見える。レース海面付近を掃海艇搭載の黒いインフレータブルボートがスターンに軍艦旗をはためかせて航走している。クルーは2名、黒いウェットスーツのようなものを着ているように見える。実戦では海中にある機雷を処分する危険な作業を担当するフロッグマン達だ。選手の落水事故救助を受け持つ。

 レースサポートのインフレータブルボートが多い中でも軍艦旗を掲げたボートは目立つ。ボクも対抗して?国旗をスターンに付けたがやっぱり目立つ軍艦旗には負けているように思ってしまう。

 でも、今の自衛艦旗もすんなりと海軍から海上自衛隊へ引き継がれたわけではないのだ。
 太平洋戦争の敗戦で大日本帝国海軍は解体され、軍人も軍艦旗を掲げる軍艦もない状態でその権利は長く放棄されていた。そこで旧海軍出身のヨット乗りたちが歴史ある軍艦旗を残すため当時のGHQと交渉し、自分たちのエンサインとして国際機関に登録した。そしてクルージング・クラブ・オブジャパン(CCJ 日本外洋帆走協会の前身組織)の公式のエンサインとして使われていた。
 だが、やがて海上警備隊から昭和29年、晴れて海上自衛隊となったとき、旧軍艦旗は日本外洋帆走協会(NORC)からすじを通して、海上自衛隊にお返ししたらしい。以来、自衛艦は旧軍艦旗を使い、NORCは今のレース旗のデザインがエンサインになったのだ。
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自衛隊旗の規定は以下のようになっている。

構造及び寸法

1.形状
本品は縦2、横3、の旗布の中心より風上に水平に移項すること縦の1/6の点に、縦の1/2を直径とする赤色の日章を描く。光線は赤色にして円の中心点より垂線及び水平線に中心を合わせる光線を基本とし、各光線の幅及び間隔を各11 1/4度に取り、方光状に描くものとする。

2.種類及び寸法
1.5幅、2幅、3幅、4幅とする。
基準寸法は1幅の仕上がりを430mmとする。許容誤差はプラス、マイナス10mmとする。

3、材料
生地は国産荢麻(ちょま)原料を完全に乾燥した長綿糸を使用し、糸質が均一にして最強かつ自衛隊旗用として最適なもの、と規定されている。

 なお、荢麻(ちょま)とはイラクサ科の植物で「からむし」ともいう。日本での栽培は古く、織物として各地で生産されてきた。草丈は2メートル余となり、根元から刈り取った茎からは極めて強く、長くて軽くて美しい繊維がとれるので、昔から上布を織るのに用いられる。産地の特性ににより、越後上布、小千谷縮、奈良晒布、八重山上布、宮古上布などと呼ばれている。

 さすがに伝統ある自衛艦旗ですね。いい材料が使われています。処分艇の旗は一番小さい1.5幅よりもっと小さい旗だった。いくら小型ボートでも旗が海に浸かったらみっともないですからね。
 
 大きなフネに小さな旗や反対に小さなフネに大き過ぎる旗もアンバランスだ。ちなみにヨットと旗のサイズのベストマッチは1フィート・1インチと昔からいわれているらしい。


参考:艦船メカニズム図鑑 森 恒英著
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by pac3jp | 2006-10-13 09:05 |  

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