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海底資源探査船 ラムフォーム・ビクトリー号

 いつもの六甲アイランド東岸壁にオモシロそうな船が着いていたので見に行ってきた。遠くから見てもずんぐりしたスタイルだ。大きさは隣の岸壁に泊まっている大型コンテナ船に較べると寸詰りで小さく見えるが結構大きな外航船である。

 近くによって良く見るとデッキ上に船位測定や衛星通信のアンテナだろうか大小のアンテナドームが4ヶ所にある。スターンの水線上にはサイドスラスターのマークが見える。船尾左右にも同じマークがある。船位を正確に調整できる船なのだ。船尾からこの船を見て驚いた!横幅も40m位とむっちゃ広いが、その船尾の形状も特異である。船体後部をスパッと切り取ってしまったらこんな断面になるのだろうな、と思われるような形だ。
 そこから見える船内は奥の方からケーブルを巻いたドラム、ケーブルを吊り下げる多数のシーブが見える。最初ケーブル敷設船かなとも思ったが、普通、海底に敷設する光ケーブルはもっと太くて長い、そして殆どが1本の長いケーブルを繰り出して海底に埋設していくと聞いている。それとはチョット違うなと思っていた。
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船名:Ramform Victory 船籍:ナッソー 総トン数:約1万トン 全長:約86メートル 幅:約40メートル 喫水:約7メートル ノルウェーの船会社所有
 
 帰って調べてみると3ヶ月のチャーター代が30億円もする海底資源探査船だった。そしてWebで検索すると少し古い情報だが凡そ以下の情報が得られた。



 政府は十六年七月、ノルウェーの調査船一隻をチャーターし、東シナ海の日本側排他的経済水域(EEZ)の日中中間線付近で独自の海底資源調査を開始した。海底資源の三次元探査は調査船の船尾から十二本の機器を付けた六千メートルのケーブルを引いて行う、物理探査の一種で、エアガンから音波を発射し、海底の地層の境界面からはね返ってくる音波を拾って、資源が埋蔵されている地層を探り当てる。調査は台風や故障で作業は何度も中断し、当初予定した三カ月の探査期間は大幅にずれ込み、費用も三十億円の見積もりが七十億円以上に膨れ上がっている。調査は十七年春には終える予定だ。

物理探査の結果、中国が開発している天然ガス田などが「日本側まで連続している蓋然(がいぜん)性が高い」との中間報告を発表した。

 政府は十七年度予算案には、自前の三次元探査船の建造費101億円と調査経費129億円を計上した。調査経費は今年度の38億円の三倍以上に増やした。 また、地下構造などのデータの提供を中国側に求めているが、中国側は応じていない。昨年十月の初の実務者協議で、中国側はこう主張した。 「資源は地下で一枚の皿のようにつながっているわけではない。割れた皿の破片のように、バラバラに点在しているのだ」と、いい加減なことを言っているのだ

 日本固有の領土、領海の権益は自力で守らなくてはならないのは当然だが、「戦争をせず日本の領土も三倍になる」と京都大学の芦田譲教授は以前から力説してきた。日本近海の海底の地形や地質を調査し、日本から続く大陸棚だと国連で認められれば、この海底が領土となるからだ。画像のような高性能の探査船を早急に建造するよう政府に要請もしてきた。やっと来年度予算で一隻分の建造費が認められたが、同種の船を中国は四隻、韓国も二隻保有ずみだという。

 中国は尖閣諸島や沖ノ鳥島について、日本の権益を無視する動きを露骨に示している。詳細なデータがないと国連で却下される恐れもあるという。国連への申請期限は二〇〇九年。政府も事の重大性に気づき本格調査を始めたが、子孫に恥ずかしいような結果で終わらせてはならないと京大の芦田教授は話している。



 ラムフォーム・ビクトリー号が今どこの調査をしていて、何のために神戸港に入っているか、ボクは全く知らないが、天然ガスや石油が埋蔵する可能性がある海の国境線を巡って緊張が続く海域で調査するのは大変だが、新しい探査船が出来るまでしばらく頑張って欲しいと思っている。
 でも、1ヶ月10億円也、ホント高いチャーター料ですなぁ。

by pac3jp | 2006-09-20 09:36 | 特殊船  

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