落水者救助グッズ(ライフスリング)

c0041039_8502027.jpg ヨットからの落水は絶対防がなくてはならないが、不幸にして、落水者が出た場合は捜索して救助しなくてはならない。その為の装備が各社から売り出されている。

 落水したクルーをヨットに引き上げるのも大勢のクルーが乗っているレースボートではクイックストップ法など手順も確立し、手も足りているが、クルージングヨットでは二人乗りも多く、男性クルーが落水すれば女性がデッキに相棒を引き上げなくてはならない。
 我艇はライフスリングをスターンパルピットに取り付けているが今度、実際に落水救助の訓練をしようということになっている。

手順、方法は(JSAF 外洋 特別規定 2005~2006から抜粋)を参考にし、自艇にあわせて変更使用させていただいた。

 クイックストップはその手順の1箇所を変更すれば、相棒が落水してしまったシングルハンダーにも使える。それはライフスリングという馬蹄形の浮器と持ち上げ用のスリングを兼ねたものを用いることである。ライフスリングは艇の全長の3~4倍の浮くロープを付けて、艇に取付ける。もしクルーが落水したら、次の手順で行なう。

落水者を確保する

1.すぐに艇を風上に切り上げながら、クッションや他の浮くものを投げ込む。艇速を落とし、艇を止める。

2. スターンパルピットにつり下げたライフスリングのバッグの蓋を開け、スリングを投げ込む。するとスリングは艇のスターンに追随しながら残りのロープが引き出されていく。

3.いったん投げ込んだ後はスリングは艇のスターンに追随するので、艇を落水者の周りを大きく回るようにする。ジブは風に立った状態でも面倒を見ず、裏風が入ったままにしておくこと。これは回転半径を小さくする。

4.スリングは艇が回転することによって内側へ行こうとするのでスリングとロープは落水者の手元へ届く。届いたら、落水者はスリングを頭の上から被り、腕の下にする。

5.スリングが落水者の手元に行ったら再び艇を風に立て、ヘッドセイルを巻き込み、メインセイルも急いで降ろす。

6.艇がゆっくり風下に流される間にクルーはスリングを引き落水者を引き上げる。この段階ではコックピットのウィンチも使える。引っ張ることは落水者が艇に届き、スリングにつるされるまで続けること。

c0041039_851563.jpg

落水者吊り上げ用リグの使い方

1.なるべくなら風上側の、ミッドシップからクォーターのクリートかウィンチが使えるところで、スリングについているロープで落水者を引き上げる。

2.必要であればウィンチを使ってロープを引き、落水者の頭と肩を水面より上に出してクリートする。これで落水者は安全である。

3.3ないし4パーツのテークルをスピンハリヤードにつける。それを約3mまたは落水者をライフラインの上まで持ち上げるのに必要な、あらかじめ決めた高さのどちらかをマークしておき、そのマークまで引き上げハリヤードをクリートする。

4.下のテークルをスリングのDリングを通っているループにつける。

5.テークルの端のロープをシートブロックかデッキにつけたスナッチブロックを通して、コックピットのウィンチまで持っていく。ウィンチを回して落水者を持ち上げる。

 このライフスリングを使うには少しだけ準備をしておく必要がある。まず、使うハリヤードをあらかじめ決めておき適当なマークをしておく。3~4パーツのテークルを用意し、他の目的には使わないようにしておく。使うスナッチブロックを決めておき、最良の取付位置(ロワーステイタンバックル下)を決めマークしておく。ハリヤードで直接人を吊り上げるのは動物的な力が必要であるが、この装置を使えばずっと楽に持ち上げることができる。

 今度海上で実際にやってみるが、多分文章で書いてあるようにスムースには行かないだろ。でも何事も経験だ。やってみて自分のフネにあった方法を見つけようと思っている。
[PR]

by pac3jp | 2006-09-06 09:02 | シーマンシップ  

<< 旧陸軍が運航していた船艇 セルフベイラー >>