内航船の船長

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 船乗りは乗っている船の大小に関わらず、陸にいても周囲の海にも目を配り絶えず海面を、そして船を気にかけているのだ。夜、風が吹き上がり庭木がザワザワと騒ぐ時、港に繋いだ自分の船が非常に気になると皆から聞いてが、実際ボクもそのとおりである。

 夏のクルージング先で早めに着いた桟橋で寛いでいると、「昼過ぎ、島にある自宅の居間から海を見ていたらいいヨットが走っているのを見たが、あんたらか?」と、自家用小型船で桟橋に着いた年配のおじさんが声を掛けてきた。知人にヨット乗りがいらして、ご本人もヨットに興味がありそうだった。

 お盆休みで、かって住んでいた大多府島の旧宅に一族郎党と供に戻り、ご先祖のお墓参りと休暇を楽しんでいたが、もう休暇も終わりそれぞれの生活に戻ってゆくという感じだった。

 彼は内航船の船長をしていると自己紹介し、船はあそこだと沖の岸壁を指差した。見えたのは500トンクラスの貨物船だ。積む貨物は鉄鋼製品で特殊鋼、それを自動車関連企業に運搬し、帰りはそのスクラップを積んで帰って来る航海で、瀬戸内海から千葉の方まで行くそうだ。
 数年前までは苦しい時代だったが今は上々の景気だといって上を向いて鼻をこすった。そして対岸のマンションの一室も持っているよとおっしゃた。
特殊鋼の輸送もかなりのノウハウがいり、又内航船船長としての営業努力の数々もボクに教えてくれた。
 未だ入った事のない大多府島の港の事情を聞いていると島にある自分の浮桟橋を使っていいとおっしゃって名刺まで頂いた。いつか、一度は寄ってみようと思っている。

 国内の内航船は6300隻もあるそうで、瀬戸内沿岸のクルージングでは毎日かなりの数の内航船と行き会う。色んな貨物を積んで西から東まで航海している。どんな船長とクルー達が船を動かしているのだろうと前から思っていたが、やっと人柄も判っている船長さんが運航している内航船を見つける事が出来て楽しい。

 いずれまた何処かでお会いしたときには船と海の話を存分にお聞きしたいと思っている。
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by pac3jp | 2006-09-01 08:34 | 貨物船  

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