折れたブーム

c0041039_175105.jpg いつもお世話になっているヨットヤードに寄って見るとやけに太くて長い、木製マストのような円材が作業台の上に載っていた。最大太さは25cmくらい。長さは12~13mだろうか。皮を剥いで日に晒した杉の丸太のように木肌がそのまま見えている。

 良く見ると巨大なブームだった。グースネックが付いているし、メンシートの取り付け金具も付いている。アウトホール金具が見当たらないと思っていると、無残に折れてしまった残骸が床に転がっていた。ここでこの巨大な木製ブームを修理するために作業台に据え付けられているのだった。

 
 折れた部分を修理する段取りの為だろう、ブームの断面がスパッと切ってあった。この部分は9本の角材を集成して出来ているようにボクには見えたが正確にはわからない。でも木目の方向に規則性があるのでブームに掛かる荷重の方向も充分考慮して造ってあるのだろう。

c0041039_178213.jpg なおも断面を見ていると衝撃によって木材が裂けているが、接着部分の剥離はないようだ。充分強固に接着されているようである。この方面に詳しい友人はエポシキ接着剤だと言っているが、このブームが付いていたヨットは船齢100年近い木造のスクーナーだ。その時代にエポキシ樹脂はなかっただろう。そして、グースネックをはじめ金物は全てステンレスだ。勿論、進水当時はこれもなかった。

 ブームを見ながら思った。戦争の20世紀、激動の100年を生き延びてきたヨットだ。ブームの2~3本替わっていても不思議ではない。1910年アメリカの大富豪がプレゼントのために建造し、当時、アメリカのヨットレース界を席巻し、いつの頃か知らないが、イギリスに売られ、1992年バブルの日本に回航されてきたのだった。

c0041039_1791692.jpg そこで、ブームが作られた年代だが、日本で新造してないので1992年に日本に回航される前であることは確かだ。しっかりと造られたブームは手入れを怠らなければかなり長持ちする。ステンレスとエポキシ樹脂がヨットの製造工程に取り入れられた1960年代?頃から逆算すると15年前から40年前の間かもしれない。中を取って25年前にしとこう。

 ・・・ボクのあてずっぽう年代推定でした。

 このブームの補修用の材料として赤松の割り材が用意されていた。時々覗いてみて本職がするの円材のスカーフ継ぎ工法や木と金具の納め具合も勉強させてもらおうと思っている。
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by pac3jp | 2006-08-21 17:13 | ウオッチング  

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