ヒーブツー

 ヒーブツーとはセールを張ったままでヨットを動かないようにする事をいう。日本語では踟躊 ( ちちゅう )と言う。ヨットの教科書には荒天運用の項に書かれているが、外洋の大嵐の中でヒーブツーをした経験がないのでなんともいえないが、何も時化た海でのみ有効な操船方法ではない。どこでもいつでも使える便利なテクニックである。

 でもヒーブツーしたヨットは全く動かないわけではない。ゆっくりと風下に流れてゆく。昔、ディンギーのレース中、数レースが終わり、風上でお弁当を受け取り、ヒーブツーしながらお弁当を食べ、風下のスタートライン近くまで流していた。またクルージングヨットでも沖でのランチタイムやシングルハンド艇のトイレタイムに丁度良い。 良く使われる状況は、夜明け前に目的地の港外に着いたが、様子が判らないので夜が明けるまでヒーブツーで待つ。あるいは狭く急潮の瀬戸に入りたいのだが沖で時間の調整したい等に使われている。

 最近、5人のクルージングヨットのオーナー達とランチクルージングに出たときヒーブツーについて聞いてみると、お二人のオーナーが使ったことはないと返事された。仲間内では40%がヒーブツー未経験である。例は少ないが概ね妥当な比率かもしれない。確かに、普通にデイセーリングや短いクルージングでは使う機会が少ないが、覚えておいて損はないので是非試してみてください。

c0041039_982588.jpg 左の図はタックをしてそのままヒーブツーに入るパターンである。タックを変えたくないときはシバーしながら風上に上り、ジブのタックがが」変ればまた元のタックに戻し舵を風上に切り、ヒーブツーに入る方法もある。どちらにしても風下に充分広い海面があるのを確認しよう。GPSがあれば艇がどの方向に進んでいるか確認できるので確かめてみよう。

 ヒーブツーが出来る条件は各々のヨットによって違うので、やや強い風の日にメンセールとジブセールの大きさや風上に切る舵の角度も変えて自艇のヒーブツーが上手く出来る組み合わせを確かめてください。
 ボクのヨットの場合はジブをNo.3位の大きさとフルメンで16~20ノットでも簡単にヒーブツーに入るようだ。

 荒天運用では風波が増し、やがてセールを展開している事が出来ない大時化になってくると全てのセールを降ろしてベアポールで漂泊する事になる。
 今年4月上旬に小笠原に向けクルージングに出た友人のヨットはベアポールで東の方向に10ノットの速度で流され、伊豆諸島の沖に点々と連なる小島に打ち上げられる恐れもあったと言っていた。そんな恐ろしい海にぶち当たりたくもないし、体験したくもないなぁ。

 ボクはランチタイムにヒーブツーしながらゆっくりとお昼ご飯が食べられる海で楽しめたら充分だ。
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by pac3jp | 2006-06-26 09:18 | シーマンシップ  

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