日ノ御埼沖プレジャーヨット漂流

 先週末、旧知の「ゆうばれ」オーナーより一文字ヨットクラブ所属のヨット「RYUJINDO」がこのGW中の5月2日に紀伊水道・日ノ御埼沖、35ノットの強風と波浪の中でラダーが脱落し、ラダーポストから著しく浸水。クルーは巡視船に救助されたが、ヨットはその後、沈没してしまった。と聞いた。

 確かに5月2日(水)はピアネットのクルージングで我々は広島湾にいたが北の強風が昼前から翌朝まで吹いていた。島の多い広島湾と紀伊水道では気象条件が大分違うが、海保巡視船が撮影した救助作業中の海面は結構な時化模様である。 
概要と画像は田辺海上保安部のホームページの「事件事故ニュース」記事参照

 同記事によれば、沈没したとのヨットは巡視船みなべが浮上措置を施したうえ田辺漁港まで曳航し、3日 2200、船主手配のタグボートに引継ぎ救助を完了した。とあるのでどうも沈没は免れたようである。

 ラダーが脱落した原因など詳しい事は判らないが、船型からみてクラブレーサー風のヨットなのでラダーの形状はスペードラダーだろう。漂流物がラダーに当たり、ラダーポストごと破損したか、ラダーシャフトを船体から支えている部材か、あるいはシャフトそのものが破断したのかもしれない。

c0041039_9335638.gif 前に読んだ本で世界一周したファースト40の場合はラダーシャフトが2本繋ぎになっていて、接続部品のキーが腐食してラダーが抜け落ちた。とその本には書いてあった。要因は構造上の問題であるが、自分の舵の構造をよく理解しておけば緊急時の対応もし易い。
 
 左の画像はヨットビルダーに提供してもらった我艇のラダー組立図である。もし、自艇のラダー部分の構造を知りたいオーナーさんはいつものメカニックさんに聞くか、或は一度ビルダーに問い合わせしてみたらいかがでしようか。

 ヨットでクルージングに出ると危険が一杯だ。岸近くでは暗岩や干出岩が海底からキールを狙っているし、沖に出れば大波が襲い、狭い海峡では速い潮に押し流され、航路に近づくと本船に邪魔者にされる。

 だが、入港時や岬の瀬が伸びていそうな場所は海図や電子チャートで確認し、慎重に操船すれば安心だ。強風や波浪の注意報が出れば出航を見合わせる。狭水道は無理やり通過せず、時間を合わせて穏かな時間に通れば良い。トラブルを起しても後から考えれば、なんであんな行動をしたのかと思うもんである。そうせざるを得ない場面ではない事が圧倒的に多かったはずだ。

 海上保安庁のWeb「安全な航海のために」のダウンロードページの中に「マリン セーフティ ハンドブック」と題されたPDFファイルがある。その中にプレジャーボートやヨットの点検マニュアルが掲載されている。出航前、航行中、帰港後にそのチェックリストを全てチェックすると海難は確かに減少するだろう。

 まぁ、そこまできっちり出来る人は多分、不可抗力なんて事はあるが、海難なんかには無縁なヨット乗り達だろうね。
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by pac3jp | 2006-05-24 09:47 | ウオッチング  

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