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アメリカ大陸を爆撃した潜水艦


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 呉市の大和ミュージアムでは旧海軍呉工廠で造られた艦船をパネルやモデルで展示している。メインは勿論、戦艦大和だが見学していると伊401号潜水艦のモデルがあった。前方デッキのカタパルトに攻撃機が2機搭載さている。これらの攻撃機でアメリカ本土に爆撃を加えようとする計画で製造された巨大な潜水空母で基準排水量3,530トン、全長122mで航続距離が14ノットで42,000浬。攻撃機「晴嵐」3機を搭載している。
 だがこの潜水艦は戦争末期の昭和20年に2隻が就役したが結局、戦局を変えるような戦力にはならなかった。

 この巨大な潜水艦を計画するきっかけになった戦勲をあげた潜水艦があった。伊25号がアメリカ本土の沿岸砲台を砲撃し、搭載されている水上偵察機がアメリカ・オレゴン州の森林を2回に渡り焼夷弾攻撃をしたのだった。
(伊号第25潜水艦乙型 全長108.7m 基準排水量2108トン 16kn-14,000浬 乗員94名)

 アメリカ本土を直接攻撃する為に風船爆弾を作って、というのは聞いたことはあるが、潜水艦とはいえ軍艦の艦載機で実際に爆撃したとは痛快だ。結果、双方に怪我人もなく火災も大したことなく、アメリカ人がビックリしただけだったが当時の日本人は大喜びしたのだろう。
詳しくは参考ホームページ「アメリカ大陸爆撃物語」をご覧ください。

 大西洋でドイツ海軍は小型のU-ボートを群狼のように使い、英米間の通商破壊に戦果を上げたが、日本海軍の潜水艦は大型で偵察機を搭載したものも多く、運用も艦隊付属で運用されたので輝かしい戦果は少なかったようだ。敗戦直前の大型潜水艦は回天等の特攻潜水艇の母艦として使われていた。

 余談だが、昔、仕事でお付き合いのあった人から「俺は陸軍の潜水艦乗りだった」と話を聞いたことがある。当時は信じられなかったが、南方の諸島で戦っている陸軍将兵に食料や武器の輸送が必要な為、魚雷などの大物兵装のない300トン弱の「ゆ1型輸送潜水艦」を陸軍が運用していたと記録にあった。

by pac3jp | 2006-05-19 08:34 | 徒然に  

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