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瀬戸内海で両潮に乗る

 
 大阪湾から西へ瀬戸内をクルージングするヨットは必ず、潮汐流を考えて航海することが肝要だ。
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 瀬戸内海は紀伊水道から流れ込む海水と、豊後水道から流れ込む海水の潮汐流で潮の満ち引きがある。この海域の分水嶺は燧灘にあるらしい。
 下記は瀬戸内海に船速6ノットの機帆船が航海していた時代の記述だが、潮の速さは昔とちっとも変らないが、機帆船は6ノットで走る機帆走のヨットに当てはめても同じだ。
 8月の夏休みに九州までヨットを回航する予定があり、乗り手が充分揃っているフネは試してみたらどうでしょうか。



「両潮に乗るには」 明石海峡中央部の西流の最強時は神戸港の満潮時と同じく、東流の最強時は神戸港の干潮時と一致する。
 この関係は毎月二回の大潮時に特に著しく、小潮時には若干乱れる。この特徴を利用して、神戸港から関門付近に向かう機帆船のように、船速が6ノット程度の小型船舶は、神戸港の満潮前二時間前に出発し、西流の最強時に明石海峡を西航する。
 このような航法をとると、備後灘東部での紀伊・豊後の両潮浪の出合点もうまく通過し、ほとんどの航路を順潮で通過できて、逆潮航法と比較して最低七時間もはやく目的地に到達することがわかっている。
                (「瀬戸内海の潮汐」より)


 
 運良く大潮のつれ潮でラッキーの場合はよいが、運悪く全部逆潮になってしまって、時間は掛かるし、燃料は残り少なくなってきたし、日も暮れてきたと、最悪の場面もありえるので、ボクはいつも潮汐表を手元に置き、特に狭水道の潮汐流には充分に注意を払って航海している。

by pac3jp | 2006-05-08 11:26 | シーマンシップ  

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