ハイテクロープのバックステイ

c0041039_9204722.jpg ヨットのメインハリヤード等の動索には昔はワイヤーが使われていた。その後、ロープ用のウインチが普及してワイヤーとロープを繋いだハリヤードが使われてきたが、この頃はほとんどのハリヤードがロープに代わってきつつあるようだ。ロープの性能が良くなり、テンションを掛けてもほとんど伸びない素材が使われワイヤーに較べて軽くて扱いやすいのでどんどん使われるようになってきた。

 最近、クルージングヨットのバックステイもロープに代えたオーナーさんがいた。水色の素線というのかシングルブレイドのロープがバックステイ調節用のブロックに通ってデッキに留まっていた。素材はケブラーだとおっしゃていたが、本当はダイニーマかも知れない。
 固くて強い繊維であることは充分承知しているが、ケブラーは紫外線に弱いとも聞いている。オーナー曰く、「大型のレーサーもみんなこれやで」。確かにワイヤーより強くて軽いマテリアルはレーサーにはもってこいだが、クルージングヨットのマストを支えるスタンディングリギンの一部としてはまだ、役不足だろうとボクは思う。ランニングバックステイには充分使えるだろうが・・・。

 そこで、陸置ヤードにずらっと並んだレーシングヨットを観察してみると確かにバックステイはステンレスのものもあるが、黒い被覆をかぶって端末はターミナルがスエージングしてあるものもかなりある。ロープとSUSの金具を接続出来るのだろうかと考えていたが、そんな特殊な工法もあるそうだ。黒いのはハイテクロープに塩ビ系?の耐UVシースを被せてあると後で業者にお聞きした。

 だが、従来のアルミのマストではワイヤーで複雑にマストを支持していたが、新しいカーボンマストはランナーもなくすっきりしたリグになっている。多分、前後方向のマスト強度がアルミに較べてかなり高く、スプレッダーとマストでフォアスティのかなりの荷重を受け持ち、従ってバックステイの分担する荷重が相対的に減ってきたのかなと感じた。そういえば船台の上ではバックステイがブラブラのフネもある。

 確かにマストについたスプレッダーを充分に後方に振ってサイドステイを取っておけばマストの支えには効果的だろう。現にアメリカ製のハンター等は初めからバックステーは付いていない。だが、日本のヨット乗りはこのヨットをあまり支持してないようだ。価格は安いがこのハーバーでも数は少ない。理屈で分かっていてもやっぱりバックステーがないと心細い。同様に強度はあっても自分のフネのバックステイにロープはまだ使いたくないな。

 クルージングヨットは誰の援助も頼れない外洋をショートハンドで航海する機会も多い。実績あるマテリアルでリギンは装備したい。
 そのバックアップに予備のワイヤーを持つよりハイテクロープの方がずっと有効だと今ではそう思っている。
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by pac3jp | 2006-03-29 09:39 | ヨットの艤装と艤装品  

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