J24を改造する
ボクはこのフネを2回にわたり所有したことがある。1回目は20年位前だった。2回目は2000年頃、仲間と共同オーナーで乗っていた。
だが、このフネは乗り換えの為に転売しようとすると全く売れないフネだった。レースをしたい人はチャンピオンになったボートは買うが普通の人のヨットは買わない。価格を安くすると全くの初心者から問い合わせがあるが、ほぼ、純レーサーに近いヨットは薦めにくい。
結局、輸出業者に安く売ってしまった。
だが、このヨットの最初のデザインコンセプト通りに乗っている古くからの知り合いのオーナーがいる。そんな彼が新艇からこつこつと手入れしてきた彼のJ24をドリームボートに向け大改造を施した。
まず、標準の船外機からインボードエンジンへ、コンパニオンステップのアイスBOXを取り外し、防音材付きのエンジンルームを設け、ヤンマーの1GMを据付た。プロペラシャフトにはゴリのフォールディングペラをつけた。そして、スターンを伸ばしJ24のシンボルのようなアウトラダーをやめてレーサー風のバランスドラダーを装備したのだ。船台に乗っているJ24改を下から見ると全く新しい小型のレーサーに見える。
このオーナーはレースをするわけでも、近くクルージングに出る予定もないようだ。休日に付近の海でセーリングを楽しみ、またデッキ木部にニスを丁寧に塗ったり艤装品のサイズに合わせたカバーを作ったりして楽しんでおられた。
ヨット乗りはいつでも愛艇で遠くに出掛けられるよう日頃からコツコツと準備をしておくのが好きだ。
彼の愛艇のエンジンを拝見するとヤンマー1GMは小さくて可愛いエンジンだ。交換部品も安そうだし、いじりまわすには格好の機械だ。きっと彼はディーゼルエンジンのメンテナンスもしたかったかもしれない・・・。
ヨットが好きで改造が出来る腕前か、あるいはその資金があるならばベースになるJ24は格安あるいは無料で譲ってくれる人もいるだろう。そのフネを自分の思い通りに改造してみるのも面白いよ。例えば長距離クルージング専用に改造してみるのもいいね。
実はこのヨットでシングルハンド日本一周クルージングをしていた人の話を、時期は違うが彼らに出会った複数のヨットマンから聞いたことがあるのでやった人は何人もいるようだ。
クラブレースに使うなら、鉛のキールも付いていて、このヨットを速く走らせるチューニングのノウハウも手近で手に入れることが出来るので便利だよ。そして、このフネの欠点、“濡れる”対策にかっこいいドジャーとコクピットコーミングをつけたらどうだろう。
面白いヨットになりそうだネ。
by pac3jp | 2006-03-15 09:04 | ウオッチング