クルージングヨットの舵(3)キールハングラダー

 最近クラシックなスタイルのヨットに人気が出てきたのか、ご近所に30数年前に日本で作られアメリカに輸出された木造マストの32fケッチが里帰りしてきている。
 国産のロングキールのプロダクションヨットではかってのフジヨットが製造したフジ32、フジ35、フジ40がある。それらに乗っていたオーナー共々その姿を思い出す。

c0041039_954138.jpg 画像は古い木造のヨットである。キールはセミロングというのか、あるいは大きめのフィンキールだろうか、そこにキールハングラダーが付いている。プロペラはキールのオフセットに出ている。昔に作られた木造ヨットはほとんどがワンオフだったのだろう、オーナーやデザイナー好みで色々のタイプのキールやラダーを装備してきたようだ。

 ロングキールのヨットになると伝統のスタイルを周到しているフネが多い。最近のレーサーからデザインの流行が影響されることは全くないだろうね。アメリカ・ヨーロッパにはヨットの分母が大きい分このタイプも結構沢山あるし又、人気もあるみたいだ。

 このタイプが好まれる理由はそのクラシカルなスタイルともう一つの理由は大きなスタビリティにある。大波にノックダウンされても復原力消失角度が180度となるのもあり、概ね他のタイプのキールがついたヨットよりも転覆には強いと言える。(外洋ヨットのポジティブスタビリティは120度は必要といわれている)

c0041039_984120.jpg ここのハーバーはナウティキャットのロングキールタイプのヨットは5~6隻はあるだろうか。画像は44f艇のロングキールの後端に取り付けられたラダーである。キールハングラダーはキール下部の後端がラダーの下部支点になっていて、プロペラもキールとラダーで保護されているスタイルが多い。当然、ラダーの構造は頑丈に造ってある。このタイプのヨットは全体にヨットの重量も重く、従って船価も高いので高級なヨットに属するフネが多いともいえる。

 このどっしりとしたクラシックな感じのヨットもハーバーなど狭い水路での操船、取り回しが難しい。特に後進が難しい。フインキールのヨットで舵を切るようにはこのヨットは動かない。プロペラの推力を上手く使って操船するそうだ。バウスラスターが是非とも欲しいと思う場面でしょうね。

 だが、この素晴らしく優美なクラシカルなヨットも都市エリアのマリーナにフネを預けているオーナーに大きな悩みを与えている。
 それは、そのクラシックヨットのシンボル、バウスプリットだ。40fのヨットならば5~6fはあるだろう、そのフネの係留料は付属物も含めた全長で計算され徴収されるからだ。そんなせいか長いバウスプリットを持った大きめクラシックヨットはここのハーバーからは居なくなってしまった。

 この料金制度は、クラシカルなスタイルのヨットに対する差別と考えても良いね。多様なタイプのフネが平等に共存できるヨット社会が必要だと思う。
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by pac3jp | 2006-02-22 09:18 | ヨットの艤装と艤装品  

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