クルージングヨットの舵(2)スケグラダー

 セーリングヨットは長い時間をかけて、高速化、省力化、快適性を目指して船体のデザインはリグやセール素材と一緒に進化してきたが、近年、レースをするヨットとレースもクルージングも両方するヨット、そしてクルージングを主体にするヨットとに分かれてきた。
 それに伴い、ヨットの為に新しく開発されたテクノロジーはレース艇に、そしてレーサー・クルーザー艇に真っ先に採用されてゆく。やがて、評価が落ち着いた頃クルージングヨットに使われるようになってくる。クルージングヨットのオーナーが全般に保守的なこともあるが、ショートハンドで外洋を航海するとき、評価の定まった信頼できるテクノロジーは心強い。

 スケグラダーはヨットのキールがロングキールからフインキールに進化してゆくときに現れて、シェイプされながら現代まで使われている。
 直進性を高めるスケグにラダーを組み込んだものをスケグハングラダーといい、スケグの大きさによりフルスケグラダーとセミスケグラダーがある。
 純粋にヨットの性能から考えれば、ラダーの付近にスケグなどの余分な出っ張りが付いていると抵抗が増えるともいえるが、ヨットの手放し直進性や、ブローティングにも強く、丈夫なスケグにラダーシャフトの荷重を分散でき、より頑丈な舵を造ることが出来るのでクルージングヨット乗りにファンは多い。大ヨットメーカーのセイルボートシリーズにはよりクルージングに適したタイプのモデルに装備されているようである。

c0041039_1005793.jpg 左の画像はフルスケグラダーである。大きなスケグに守られたラダーが付いている。このラダーはスケグ下部、船体内2ケ所と合計3ケ所で支持されている。バランスドラダーに較べて支持ヶ所が多いので単純に考えたらラダーシャフトの強度は少なく見積もってもいいが、多分そんなことはしていないだろう。
 だが、このラダーは操舵力のバランス量が取れないので舵がやや重いかもしれないがが、頑丈というクルージングヨットとして欠くべからずの性能が充分それらを補ってあまりある。

c0041039_101162.jpg 右の画像はセミスケグラダーだ。フルスケグラダーからスケグ部分を小さくして、ラダーに適度なバランス量を与えて操舵力を補っている。
ヨットの直進性と舵きりのよさを折衷したタイプである。画像のスターンにはスターンスラスターが見える。小型だが大分お金のかかったヨットではある。

 だが、いつかはそのスケグ付きの舵を抜いて修理や整備をしようとする時が来る。そして、スケグがラダーを支えている部分を分解しなければならない。ほとんど外すことがないのでどのように分解するのか調べなくてはならない。特にセミスケグラダーについてはこれが多少面倒かなと思うのだ。

 スケグがついたラダーの全てがスケグハンギングラダーではない。YAMAHA26等はスケグの効果のみを期待し、ラダーとは独立して存在しているスケグが付いている。この場合はラダーはただのスペードラダーである。このタイプのスケグは、やがて船底に貼り付けられたような浅いスケグになって行くのだろうね。
 当然だが、この舵はスケグラダー並みの強度はないので、ちょっとした障害物などに突っ込むと両方が壊れる恐れが・・・。
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by pac3jp | 2006-02-20 10:12 | ヨットの艤装と艤装品  

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