クルージングヨットの舵(1)バランスドラダー

 舵はヨットの進路を定め、船体運動のバランスを取る重要な部分であるが、常に水面下にあり、しっかりと観察できるのは上架した時のみだ。

c0041039_923466.jpg 最近のヨットは殆どが軽くて回転性能が良いバランスドラダー(スペードラダー)と称するラダーが付いている。回転性能が良いということは直進性が悪いことにも通じるが、セールのトリムがちゃんとしておれば普通、問題はないだろう。だが、座礁などでラダーの先端に衝撃を与えてしまうとラダーシャフトが曲がって航行不能になってしまうことがある。 

(画像のラダーはデュフォー365です)

 ボクの知人でこんなことがあった。彼の37fのヨットは浅喫水用にデザインされたキールを付けていたが、ラダーのデザインは変更できないので結局、キールよりも深いバランスドラダーを持つヨットになってしまった。 数年前、不注意でクルージング中に座礁してしまった時、やっぱり、キールは無事だったが、ラダーシャフトが曲がり操船不自由になってしまった。

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今もヤードでキールとラダーを修理中のヨットがいた。⇒

 数年前ファースト40で無寄港世界一周に挑んだ小樽のヨットLISA号もラダートラブルがあったとその航海記に記述はあった。このケースは何故かラダーシャフトが1本ものでなく、その接続部分に由来する故障だったが、港内でラダーが抜けたので故障が偶然に発見できたので大事故にはならずにその対処ができた。

c0041039_94325.jpg ご近所に春から小笠原クルージングを予定しているデュフォー38がいるが、外洋の大波や座礁でラダーが故障することを予想してか、もう既に予備ラダーが2枚とそのための立派な架台を取り付けている。彼のヨットアドバイザーの忠告で付けたそうだ。彼のアドバイザーはアメリカでヨットのデザインを学び、日本でもご自身のデザインのヨットを沢山造っていた人だ。
 予備ラダーの装備までする動機は彼のアドバザーからみたプロダクションヨットのラダー構造が不安だったのか、ただ、外洋レースのルールに準拠しただけなのか、あるいはオーナーの操船に問題ありと感じてそうされたのかは、聞いてないのでボクは知らない。

 お話しが、バランスドラダーのトラブルに関するものばかりになってしまったが、このタイプ全てのラダーが悪いということではない。勿論、充分にメンテをして、事故なしで長く使っておられるオーナーさんも多いが、このラダーが装着されているヨットの数が多いのでトラブル発生が他のタイプと同率としても見聞するケースは多くなる。

 皆さんは自分が乗っているヨットのラダーの詳細な構造はどうなっているのか確認したことはありますか?
 座礁してシャフトが曲がってしまったり、メタルやベアリングの偏磨耗等でガタや浸水が発生しなければ船体からラダーを外してまでチェックする人は殆どいないだろう。
だが一度、ヨットビルダーに連絡して舵の構造図を貰い少しは勉強して、上架した際取り外して点検してみたらどうだろうね。
 バランスドラダー(スペードラダー)が一番簡単に外れそうだし・・・。
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by pac3jp | 2006-02-17 09:25 | ヨットの艤装と艤装品  

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