ヨットのコンパスは・・・

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 ヨット・ボートの航海計器の代表である磁気コンパスは長くコクピットの一等席のペデスタル上やバルクヘッドに取り付けられて重要度一番でその座を占めてきたが、その重要度にも近頃、斜陽の兆しが見えてきたようだ。

 最近、36fのクルージングヨットの新艇を艤装していたオーナーはステアリングホィールの前に鎮座していた磁気コンパスを取り外し、代わりにレイマリンのマルチメーターを付けていた。
 取り外した理由は、ヘルムスマンが見易い限られたスペースに、必要とする航海情報を表わしてくれるのはやっぱり、電子航海機器であるとおっしゃておられる。取り外されたコンパスは予備品棚に収まってしまった。
 艇の更新が早いレーシングヨットではアナログのコンパスを使っている艇はもうないだろう。

 我々クルージング派も航海中はオートパイロットのディジタルの針路表示を見ている。もう一つはGPSプロッターが針路表示をしている。コクピットのステアリングコンパスはオーパイの針路を確認するのに使っているだけである。

 GPSプロッターの普及でハンドベアリングコンパスを使ってチャートに現在位置を落としているヨットマンはかなり少数派だろうが、これも便利なメモリー付きのディジタルコンパスになってきた。

 磁気コンパスの最大のメリットは電力を消費しないことだろう。ヨットの電気システムがダウンしても船の針路は示されている。
 一方、オーパイなどの電子コンパスの磁気方位センサーはフラックスゲートコンパスである。これは航海計器システムに組み込まれているので電気がなくては動かない。また、このセンサーもあらゆる磁性体に反応するので出来る限り、磁気や動揺の影響を受けにくい船体中央部の重心付近に設置するのが望ましいが、このセンサーがコンパニオンステップ付近に取り付けてあるのを見ることもある。
 通常は注意シールが貼ってあるが、知らずにその付近にプライヤーなどを置き忘れるとオーパイがあさっての方向に舵をきってしまうこともある。

 精度の高いコンパスといえば本船や大・中型漁船で使われているジャイロコンパスがある。だが、この精巧な装置はメンテナンス必須だがメンテ不要でジャイロコンパス並の精度があるコンパスがある。

 サテライトコンパスだ。GPS衛星の電波を自船に設置した2~3個のアンテナで受信し、その位相差で針路を計算するらしい。船のローリングやピッチングの測定も可能で、角速度センサーの働きもするそうで、フネのピッチング・ローリングの検出も可能だし、その出力も10ポートも取れるらしい。基本的にはGPSなので可動部もないので電力の消費も少ない。
 この商品、今はチョット高い値段が付いているが、普及してくればいずれ安くなってくることだろう。

 プレジャーボート・ヨットでも電子チャートを積む船が今後一層多くなると予想される。この電子チャートにレーダー画面を重ねる簡易ARPAシステムを作るときに入力する方位データは従来のフラックスゲートコンパスよりサテコンのほうが応答速度や分解能での性能は高い。
 ボクの電子チャートの中にもARPAの名称が出てくるが、安いレーダーなのでそんな機能には対応してなかった!・・・残念。

 長く親しんできたヨットのマグネティックコンパスもやがて六分儀がナビゲーションの主役から消え去ったのと同じ道を歩んでいるかなと思っている。だが計算音痴のボクには、方位が全て真方位で統一されたら偏差の計算が不要になる?メリットもありそうだが・・・。

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参考:ARPA(Automatic Radar Plotting Aids)日本語では、本船用のレーダーの自動衝突予防援助装置と呼ばれている機能で、物標をベクトル処理して自船に対する位置や速度を演算して表示します。
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by pac3jp | 2005-12-28 09:48 | ヨットの艤装と艤装品  

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