フィン・スタビライザー

 船に乗っていて一番楽しくないのは船酔いになることだろう。子供の頃、父親に釣り舟で夜釣りに連れて行ってもらい、酷く船酔いしたことを未だに思い出すときがある。 波や船体の運動による揺れが少なくなったら、きっとフネが好きになる人は多いだろうと思う。

 護衛艦ではヘリ搭載艦に、また大型の客船やフェリーは海に慣れていない乗客が快適な船旅を過ごせるようにフィン・スタビライザーが装備されていると聞いている。
 だが、海況が悪くなり、この装置をブリッジが作動させると、エンジンに負担が掛かるらしく、機関部から苦情が出ることあったとフェリーのエンジニアから昔、聞いたことがあった。

 こんな高級な装備をご近所の32fのトローラーが装備したと聞いたときは、ほんま?と聞き直したものだった。このサイズのボートにフィン・スタビザイザーを装備した実績が少なかったので、このオーナーは自艇にフィンスタビーライザーを装備する前に、「模型によるタンクテスト」をやるのは大造船所だが、模型マニアの彼はラジコンボートに同様の装置を装備して、ハーバーの桟橋の間でテストを重ねたそうだ。
 その多量のデータを詳細に分析、検討?の結果、充分効果は期待できると実艇に装備を決心されたそうである。

 ボクは最初、フィン・スタビライザーはある程度高速で走行する船でなければ効果がないのかなと思っていたが、10数ノットの速度で巡航するトローラーでもその効果はあるそうだ。

 余談だが、このフィン・スタビライザーは日本人の発明したものだそうです。くわしくは「海運雑学ゼミナール」をご覧ください。
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 画像は左舷に装備されたフィンだがこれが両舷に付いていて、船体内にセットされたジャイロからの信号を元に油圧で左右のフィンの揚力を加減しボートのローリングを抑える働きをさせる。

 このような目的に使うジャイロはジャイロスコープと呼ぶらしいが、ジャイロといえばボクの乏しい知識の中では「地球コマ」をモーターで高速回転させる本船用のジャイロコンパスしかイメージ(このイメージもチョット勘違いみたい)出来ず、あんな大きな物は何処にあるのかと思っていたが、同じジャイロでもどうも小さい角速度センサー様なもので制御しているようだ。角速度センサーは車や他の民生機器にも沢山使われている。

 旧日本海軍の空母で艦体中央で巨大なコマを高速で回し、ジャイロ効果で艦の動揺を抑えて戦闘機の発着を容易にしようした艦があったそうだ。乗り心地は悪かったらしいが、空母としての効果はあったのかどうかはその本には書いてなかった。・・・と思う。

 今年のヨットの航海で一番波が悪く、大揺れした海域は対馬海峡の漁場「七里ケ曾根」だった。風は弱く波だけが高かった。セールのローリング防止効果も及ばずヨットは酷く揺れた。だが、多くの漁船は激しくローリング、ピッティングしながらも熱心に釣り糸を引いていた。彼らの船にもビルジキールなどは付いているのだろうが、停船中は効果はないだろう。

 それにしてもフィン・スタビライザーの様な軟弱装置、一切関係なし。 
船酔い知らずの漁師さんとアマチュアアングラーにボクはいつも心から感心し、そのシーンを拝見しているのだ!!
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by pac3jp | 2005-12-20 12:52 | ボート  

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