小さい漁港の魚市場

 子供の頃、半農半漁の村の浜辺でよく遊んでいた。午後遅く、熊さんと皆んなに呼ばれていた老漁師が櫓を押して浜に帰ってくる。
 小さな漁船の船べりから生簀を覗いて、ぴちぴちと跳ねる大きな魚を見ては、アブラメしか取れない自分に較べ、本職はすごいもんだと思っていた。

 いつもヨットのクルージングで行き交う底曳き漁船が網を揚げているのを見ると、どんな魚が獲れるのかと近寄ってみたい気もするが、仕事の邪魔になると悪いから離れて通るのでどんなものが獲れるのか良く知らない。

 日頃は良く漁港でお世話になっているし、沖で網を曳いている漁船も良く見ているが、取っているお魚の種類や、漁協の魚市場で取引される様子を真近で見たことはなかった。

 先日、小さい漁港で底曳き漁船の水揚げと、セリを見学をすることが出来た。

 お昼前、底曳き漁船が次々と港に帰ってきて15隻位が並び、漁協の水揚げ岸壁は一杯になった。
 岸壁からデッキを覗くと、船頭さんと奥さんが漁獲物の選別に余念がない。さすが、底曳き網だ。色んな魚が取れている。貝まである。
各漁船から次々と選別されては網袋やトロ箱に入れられ、運ばれてゆく。
 鯛、チヌ、タコ、イカ、あなご、えび、キス、ベラ、シャコ、ふぐ、シタビラメ、カレイ、ヒラメ、かに、アジ、サバ、ホウボウとその他、ボクが名前のしらない魚まで多彩である。

c0041039_1323254.jpg

 セリが始まった。仲買人が6~7人いる。セリ人の前にトロ箱が並んでゆく。ここは掛け声などは掛けない。並べられた魚を見ては、自分の名前が書かれた木札になにやら数字を書いている。買いたい者がセリ人の前に木札を並べると素早く札を見て行き、落札者を決める。係りが魚をトラックや別の生簀に入れてゆく。そして、次々と漁船から水揚げされたお魚はセリにかけられ行く。市場の裏では保冷車が次々と発着している。

 仲買人も色々だ。鯛やヒラメの大物を買い付ける人、なごやフグなどの加工用の魚を買う人、町のお魚屋さんに並んでいるような魚種を買う人、満遍なく買い付けているように見える人、と様々である。
それでも、大きなピチピチと跳ねている鯛やヒラメは仲買人皆さんが覗いている。

 カメラを持って見ていたら、シタビラメ、地元では「赤した」というものや、小型のフグが多いので絵にならないと思ってか仲買人の一人が、あれを撮ったらと鯛を指差した。そして、今の時期の漁の内容を教えてくれた。

 多彩な魚介類が水揚げされているが、当然、各種類の海産物にはおのおのに旬があるのだ。あの魚は今の時期、まだ小さくて美味しくはない、あの貝はまだ身が入ってない、春先が一番だ。 等々。

 毎日、漁をする漁師さんも大変だが、毎回、買い付けをする仲買人さんもご苦労さんだと思ったことである。
[PR]

by pac3jp | 2005-12-05 13:30 | クルージング  

<< デッキ木部のメンテナンスをする ヨットで足湯に行く >>