お香の匂う港 淡路江井港

 11月3日 文化の日 台風も来ない、そして暑くもなく、寒くもない絶好のクルージングシーズンである。我艇は例年、この時期に瀬戸内海で4~5日のクルージングをしてきた。今年は播磨灘方面の周航である。

 今日の目的地は淡路江井港だ。朝、軽風の追っ手とつれ潮に乗って出航し、明石海峡に向かう。今日は大潮にあたる。西流MAX6.5ノットと潮汐表にある。
 明石海峡航路A線、航路中央ブイ付近から潮波が立ってきた。明石海峡大橋の南橋脚の外を狙ってコースを取るが、どんどんと橋脚に吸い寄せられるようにフネが寄って行く。大きく岩屋港に進路を変針し、橋脚と安全な間隔を空ける。船速は10ノットオーバーで橋下を通過する。

 淡路島西岸も既にノリ網が一杯に張ってある。播磨灘航路とノリ網の間を南下する。イルカが5頭、ヨットの傍で豪快にジャンプしなががら歓迎してくれる。 やがて、江井崎が正横位に見える位置からノリ網の間の航路を2マイル弱航走し港にアプローチする。

 港は、地方港湾であるが、古くから開けていて、今は船溜りになっている旧港と、漁業施設を設けた新港部分と二つで江井港となっている。

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 漁船で作業中の漁師さんに係留場所を聞く為に声を掛けると、自分の船のアンカーを使って良いよ、と言ってくれた。喜んでお言葉に甘えさせて頂く。漁船は「流し建て網」で、今はキスを取っているとの事だ。漁獲は好調だが、魚価が安くて・・・。とおっしゃっておられた。
新港物揚げ岸壁の端っこの漁船とノリ網作業船の間にヤリ付け横抱き係留をした。
 別の漁師さんは少し長く泊るなら奥の船溜まりが良いと教えてくれた。親切な人が多そうだ。

 古くから開けた湊に興味があるので、奥の船溜まりを見に行く。狭い水路を入って行くと奥に丸い池のような水面がある。湊の由来を説明してある表示板にはこの湊が魚のエイの形をしているからそう呼ばれているとの説も書いてあった。まさしくその通りだった。細い尻尾から入って、丸い胴体がこの湊を表しているようだ。

 昔、ここ、西浦一番の良港では長崎、平戸と商いをする廻船問屋が軒を連ね、淡路島の富が全てここに集まっているといわれた黄金時代もあった。だが、季節風が吹く冬の季節は仕事がなく人々は困っていたが、その対策に7軒の廻船問屋が線香つくりの副業を始めたそうだ。

 やがて、時代は移り、いまや日本全国の線香生産の70%をここ淡路島、江井港付近で生産されているらしい。詳しくは淡路が一番をご覧ください。

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 みなとの周りには古い線香工場がある。祝日なので作業をやっている雰囲気は無いが香の匂いは流れてくる。狭い道路を歩いてゆくと香を扱っているお店や作業所の古い看板が幾つも見える。そして、何種類もの香の匂いがしている。

 夕食の買出しに入った、小さな商店で一人のお婆さんが、「線香の仕事は年寄りにでも、でけて、ほんまにええわ」と言っていた。線香仕事の内職は昔からこの地域の年寄りたちの仕事を創って来たのだろうと思った。

 江井港近くにお風呂、食堂や居酒屋はないが、料理屋さん、魚屋さん、食料品店はある。旧港内は南西側が岬に守られていて台風避泊にも良さそうだ。
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by pac3jp | 2005-11-09 09:06 | クルージング  

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