ヨットの燃料タンク

 小型船の造船所の空き地にはヨットやボート用の燃料タンクのスクラップがよく転がっている。色んな理由で取り外されたのもだろう。タンクの大型化、取り付け場所の移動に伴う形状変更の為。あるいは燃料供給システムが不調だったり、電蝕で穴が開いたり、スクラップにされるそれなりの理由があった。

c0041039_9173741.jpg
 画像にあるのはヤマハ26に付いていたオリジナルの燃料タンクだ。オーナーがエンジンを2GMに換装し、航続距離を伸ばすために燃料タンクを大型にしたので廃棄されたものだが、以前にこのタンクの構造が原因で度々エンジン不調を起こしたことも理由の一つであった。

 このタンクの形状を見ると、バースの下に設置されてボトムに沿った凡そ三角形の断面をしている。その底の部分から一段深い箇所に燃料吸い込みパイプが取り付けられてある。この箇所はタンク内のごみ、水分などの不純物も集まってくる箇所だ。その対策か、このパイプの吸い込み口に細かいフィルターが取り付けられてあった。
 
 そしてそのヨットが長年使用され、この一段下がった燃料吸い込み口のある箇所に不純物がたまり、その結果フィルターが詰まり、タンクからの燃料供給が不足し、エンジンの回転が上がらない等のエンジン不調の原因になっていた。

 本来、タンクの最下部は燃料スラッジを抜くバルブが付いていたり、タンク下部にスペースがないときはタンク上部からその部分に燃料パイプより少し長いパイプを取り付け、ハンドポンプを利用してスラッジを抜けるようにすべきである。

 それにしても、タンク内で掃除が出来ないところでフィルターを付けたらどうなるか考えなかったのだろうか。そこにフィルターを付けなくても燃料系統内の見易い場所に点検、清掃できるフィルターを設置することは充分可能だ。

 ヨットやボートのエンジン関係の解説書を読むと燃料タンクは1年1回は清掃をする必要があると書かれているので、前に乗っていたヨットではバースのマットと底板を外せば、燃料タンクが露出したので時々は燃料の量の確認を兼ねて点検をしていた。今のフネはタンク底から燃料に混ざったスラッジをポンプアップ出来る構造になっているので、インスペクションハッチから点検をしたことはない。

 不幸にして燃料タンクに清水を補充してしまったオーナーが燃料タンクから水分を全て抜く為に、タンクの清掃も合わせてやったことを時々話には聞くが、たいていの人は1年1回の燃料タンク点検などやらないだろう。荷物がつまった、奥のバースの下などにあり、点検口がないのもありそうだ。上の画像を見てもタンクにインスペクションハッチがない。もし、その必要が生じたら燃料計センサーを取り外してやるしかないようだ。

 だが、タンクの掃除を怠るとタンクの中の底に溜まった不純物は海が時化でタンク内の燃料が少なくなってきた時、タンク内に分散した不純物がエンジントラブルを引き起こす事もある。又、ディーゼル燃料が洩れるとくさくて嫌な臭いだ、それがときにはクルーの船酔いの原因にもなる。

 近く辺鄙なエリアへクルージングに出る予定のあるフネは前もって燃料タンクの外観や内部、接続されるホースも含めて点検されたほうがいいと思う。

 時化の海をトラブルなしで乗り切るために!!
c0041039_9254465.gif

[PR]

by pac3jp | 2005-10-18 09:28 | ヨットの艤装と艤装品  

<< 初めてのヨット キャビンパーティの主役 >>