デッキ上の安全装備(ジャックライン)

 ジャックラインを常時装備しているヨットはそう多くは居なかった。ベルト系は3隻、ワイヤー系は2隻でうち1隻はつい最近、太平洋の周航から帰って来たフネだ。意外と装着率は低い。ボクの友人も持ってはいるが、デッキに見当たらないので大切に保存しているようだ。

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 穏かな海も強風が吹き続けると波も高くなり時化てくる。バウが青波を掬い、サイドデッキを海水が激しく流れる。ジェノアを巻いて、メンをリーフしよう。コックピットから出てデッキ上での作業が必要だ。最近のクルージングヨットはコックピットでセールのハンドリングは全て出来るとヨットメーカーは謳ってはいるが、そうはいかない場合もある。セールのファーリングシステムはこんな時に限ってトラブルが発生したりする。

 荒天航行中デッキに出るにはセーフティハーネスと頑丈なデッキアイに繋がれ適切に保守されたジャックラインが必要だ。間違ってもライフラインに取り付けるべきではないが、時々そうしている人を見かける。

 ジャックラインの材質は1×19×5mmのステンレスワイヤーと同等の強度(2040kgf)のあるポリエステルベルトが使われるが、常時デッキに取り付けたままになるので合成繊維で造られたジャックラインはマリングレードでUV対策済のベルトを使ったほうが良いと思う。

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 取り付け方法は左右のデッキをバウからスターンまでドックハウスに沿って2本のジャックラインで取り付ける方法と、コックピットからマスト、マストからフォアデッキまで左右4本のジャックラインを取り付ける方法もある。

 どちらの方法もそのフネの航海するエリアや季節、オーナーの好みにもよるが、ジャッククラインはデッキ上の丈夫なクリートやデッキを貫通するボルトで取り付けられたアイに接続されなければならない。そして、ラインが長くなる場合は途中でパッドアイ等を通し、もしもの時にラインが伸びないようにしておく必要もある。
 この場合はハーネスにつけるラインも2本必要だ。一般的についている6fの長さはコックピットでいるには良いが、デッキを移動するには長過ぎる。市販品では6f+3fのWラインタイプがあるが、デッキを移動するには3f側で充分だ。

 しかし、荒天航行中のマストやフォアデッキ作業ではハーネスはマストステップやマスト本体やデッキにしっかり固定された物にハーネスを取った方がいいと思う。

《安全なセーリングは装備品によってではなく、何よりもクルーの心構えと技術から生まれるものである》

・・・といわれているが、心構えやセーリング技術(シーマンシップ)の習得は時間がかかる。やっぱり良い装備品を選び、上手に使おうよ。
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by pac3jp | 2005-09-30 09:44 | ヨットの艤装と艤装品  

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