セクスタント(六分儀)

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航海機器のシンボルのような六分儀
 古来この道具を使って七つの海を多くの船が航海してきた。 故野本謙作先生は天測をエレガントな技術と評されているが、ボクから見れば難攻不落の何とも高級な航海技術に見える。

 現在もセクスタントは電子航海機器のバックアップとしてまだまだ利用価値はある。外洋レースのレギュレーションにもGPSのバックアップにセクスタントを装備することが推奨されている。
 ウエストマリンのカタログには数種類のセクスタントと関連商品で数ページを割いている。アメリカ人は元々ヨーロッパからメイフラワー号で大西洋を渡ってきた先祖を持つ人達だ。航海の技能や伝統を守る人種が多いのも当然か。

 ずっと昔、僕がまだビーチでシングルハンダーに乗っていた頃、艇庫の奥から古いセクスタントが出てきたことがあった。我々の先輩たちが何処か遠くに航海するときに使ったのだろうか。古ぼけたケースに入っていて、レンズは曇っていたが、ずっしりと重く、航海機器としての貫禄はあった。取り出して太陽の高さを測ってみたりした記憶があった。

 海や船に興味のある人達にいつの日かこのような道具を縦横に使って大洋を航海してみたいと思わせる魅力のある道具である。 自分のフネのキャビンや自宅の書斎の飾りにも良いね。しかし、ボクは埃にまみれてたり、レンズにカビが出ても困るので、ケースに乾燥剤を詰めて大切に保管している。時々は取り出して、名刀を鑑賞しているような風情で望遠レンズを組み付け、ダイヤルをまわして見る。

 確かに、玉屋の六分儀には海の男(海の遊びに思いの深い人)の「所有欲」を満たす何ものかがあると思う。

 少し前、セクスタントの使い方を練習しようと思い立ち、沖で実際に太陽の高度の観測にチャレンジしてみた。天測暦がないので位置の計算は出来ないが、だんだんと重くなってくる六分儀をもって繰り返し練習した。穏かなお天気に助けられたが、いつも波のある外洋で揺れるヨットのコックピットでの観測は難しいだろうね。

 この六分儀はいつの日か大洋を航海する日が来たら必ず積んで行こうと思っているが・・・。
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by pac3jp | 2005-09-20 12:12 | シーマンシップ  

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