「遭難船のダイヤを追え! 」 クライブ・カッスラー著

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 19世紀のアフリカ。イギリス人が現地人から奪った大量のダイヤ原石は砂嵐で船が難破し、夢と消えた。そして現在、その「宝探し」に巻き込まれたセキュリティ会社会長のカブリーヨは、同じ折りに著名な研究所所長誘拐事件の無線を偶然傍受し、人質奪還に乗り出す!ハイテク秘密工作船オレゴン号を自在に操る現代の騎士、ファン・カブリーヨ登場。 (「BOOK」データベースより)

 まだ小さなフネも持っていなかった頃、お金があったらあんなフネ、いやこんなフネがいいなと船の雑誌などを見ながら楽しい想像を巡らせたものだった。そして、もし桁違いの大金が手に入ったならどんなエンジンや装備をつけたフネにしようかと夢想を膨らませたこともあったなぁ。

 この物語の主人公、元CIA局員で民間警備会社<カンパニー>を経営するファン・カブリーヨはそんな思いの全てつぎ込み建造した「ハイテク秘密工作船オレゴン号」でクルーの元特殊部隊出身者や関連分野のエキスパート達とともに強欲な革命武装勢力や狂信的な環境テロリストとの戦いでしっかり“稼いでゆく”という海洋冒険物語である。

 表紙の画像がオレゴン号とその搭戴救命艇が出撃する場面を描いているが、母船はオンボロトランパーに仮装されているが実質は1万トン級高速巡洋艦の実力がある。

 オレゴン号はLOA170m、11,000トンの元木材運搬船を大改造しているが、エンジンは強力な「磁気流体力学機関」で超伝導コイルで流れる海水からエネルギーを取り出し二基のベクトルノズルのウオータージェットでこの大型船を40ノットの高速航行することが出来る能力をもつ。

 武装はロシアの堕落した提督から買ったという巡航ミサイルと魚雷、30ミリガトリング砲、M1A2アブラムズ戦車と同じ目標捕捉技術を使用する120ミリ砲、敵の乗船攻撃を撃退するためのサーボ機構付きの30口径機関銃。武装はすべて船腹の内側に隠され、あるいは甲板上のガラクタに偽装されている。そしてその諸々の兵器管制や機関・位置制御などは船内深くにあり、あのNASA風の作戦指令室で行なわれる。

 浅く狭い海域海域では搭戴している武装した高速のゾデァックがウエルデッキから、隠密で行動する時は船内ムーンプールから小型潜水艇が出動できる。当然、高速で乗員を移動させる時や空から救出・侵入する時の為に船内の航空機格納庫には高性能ヘリが用意されている。

 航洋貨物船なので救命艇を搭載する義務があるので両舷に2隻が装備されている。表紙の画像に描かれたライフボートも高性能に改装されているのだ。キャビンは豪華な大型テレビがセットされ長距離の航海にも退屈することがないようにしてある。また一朝あるときは通常エンジンの運転に替わり高出力のエンジンが起動し船底からは水中翼が出てきて艇速は40ノットになるのだ。

 こんなハイテク秘密工作船を駆使して要人救出や国家の裏の仕事を請け負い、縦横無尽に活躍する物語りは本当に面白い。今回の本の舞台はボクのよく知らないアフリカ大西洋側のコンゴ川やナミビア周辺が舞台なので時々分厚い世界地図など広げて位置を確認しながら楽しんでいくのだが面白かったので上下二冊をあっという間に読みきってしまった。

 このシリーズ本はすでに大分出版さているのでこれからボチボチと集めて読んでみたいと思っている。
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by pac3jp | 2011-05-01 11:45 |  

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