4,000トン吊起重機船「洋翔」見学する Part2

c0041039_7485114.jpg 4,000トンもある巨大な構造物を吊り上げる「洋翔」の強力な腕であるジブを下から見る。
ジブの構造はボックストラス構造で長さは146m、1基の重さは1,850トンあるという。

 高い所に重量物を吊り下げる4個のフックが小さく見えるが、1個で1000トンの荷重を受け持ち、あわせて4,000トンの吊上げ能力を持っている。そしてフックに接続したブロックの内に数多くの滑車がありパワーは20分の1に減らされ、直径64mmのワイヤー1本当たり50トンの荷重になりウインチ室の72トンの主巻きウインチで巻き上げられる。

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 1,000トンフックも下から見ると小さいがデッキに置くと大きいものだ。重量は60トンある。右の画像はジブを起伏させるワイヤロープの見本だが直径64mm(破断荷重3,390KN→340t)と表示がある。主巻きも同じ64φサイズのワイヤーを使っていて一本の長さは7,000mあるという。因みに起伏用は一本が3,000m。
 隣に玉掛ワイヤーの見本もあるがこちらはもっと太くて直径120mmとなっている。これらの作業ロープだけでも相当な重さだなぁ!

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 左舷ジブの下部にジブの傾斜角度と吊上げ荷重、フックのアウトリーチの関係がわかるクリノメーターが付いている。一杯、73°まで起こして4,000トンでリーチを最大に伸ばすとたった?40トンになる。半分の2,000トンでは53.4°、リーチ72.5mになるようだ。

 右舷ジブの下部にジャンクションBOX風の箱が6個並んでいる。ジブの先端や各所に取り付けられたセンサーなど各種機器の電源や接続点の点検BOXだろう。点検の都度、146mも上るのは大変だからこの場所で粗方のチェックは可能になっているのかな。

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 「洋翔」の一番の特徴はジブ・スライド格納式だ。両舷とも基部は移動用の走行台車に乗っている。左舷は横から見たところでジブの支点になる直径600mm×3.5mのピンの位置が確認できる。各種ケーブル類もこちらの台車から接続されているように見える。

右舷台車の後に見える黄色のガイドが台車走行路になっている。その下の画像は船尾側の台車固定台だ。右下の画像はジブが収納された状態で、回航や台風避泊などにも都合がいい状態ですね。

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 船首には2基のウインドラス(40t)がある。左画像は左舷用、右は船尾ウインドラス1基(100t)チェーンは600m、アンカーは30トンのサイズである。アンカーをワイヤーで使う操船ウインチに較べて操作が難しいと説明されているがチェーンで船位の微調整は大変でしょう!

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 タグボートが舷側につながれている。HOSHO-MARUと船名表示がある。クレーン船は新造だがタグはそうではないようだ。大型起重機船の曳航用か船首ウインチが2基あるタイプで港内作業用とは大分違う艤装になっている。

 他に、甲板に50tトラッククレーンが一台据え付けられている。着火船や係船アンカー・ワイヤーなどの積み込み、それに重い玉掛ワイヤーなどの甲板取り回しにも必要なのでしょうね。

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by pac3jp | 2010-12-12 08:01 | 特殊船  

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