進徳丸メモリアル(2)

 深江丸をはじめ神大海事科学部に所属する船艇が停泊するポンド東側の用地に設置された「進徳丸メモリアル」を訪れる。夏草に埋もれていたようだが業者の若者が草刈の真最中である。もう暫くで作業完了の見込みだ。

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 デッキに上がりマストを見上げる。その昔は最後尾に立っていたジガーマスト(22.4m)で帆船時代は41.5mもあったという。マストの回りに汽笛やホーンなどが置いてある。
 振り返れば屋上には舵輪が載った大きな窓のブリッジ風の船室がある。そのブリッジ内には船長公室、隣には主機関の一部と実習生居室などが配置されている。

 施設の周囲に進徳丸のアンカー、プロペラなどの装備品と当時の木造の交通艇「むこ丸」(深江の沖に停泊した進徳丸への交通艇として活躍し、多くの学生が学校のポンドから、むこ丸により進徳丸に乗下船した。)が展示してある。

 1923年(大正13年)生まれの練習帆船・進徳丸は当時一般的な石炭を燃料とするレシプロ蒸気機関を搭載していた。舶用ディーゼル機関がやっと使われはじめたという時代だった。

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主機関(Main engine)
三段膨脹往復蒸気機関 2基 帆装を取り外して汽船で運用された時代もこのスチームエンジンだった。
1基 625HP 総馬力 1,250HP
高圧シリンダー:直径305mm 中圧シリンダー:直径 508mm 低圧シリンダー:直径838mm  ストローク:600mm
速力(機走) 10.5ノット (帆走) 13.0ノット

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【ご参考に】三段膨張機関の動作例

 赤で示されている高圧蒸気がボイラーから入り、青で示されている低圧蒸気として排気され復水器へ送られる。弁室は対応するシリンダーの左側に位置している

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トロットマンズ・アンカー(Trotman's Anchor)

 ヨーロッパの帆船で多く使用されており、フリューク部が可動式になっている。潮の満ち引きが激しいヨーロッパならではの錨である。
 特徴:爪の背に突き出ている突起が海底に引っかかり、爪が土中へ貫入するようになっている。片方の爪が土中に入ると、もう片方が寝た状態になる。初代の日本丸、海王丸にも搭載されていた。

c0041039_6194773.jpg 実習生居室の壁には、「追憶」のプレートが入った額が掲げられています。

昭和22年7月24日播磨灘二見沖において爆沈の悲運にあい、多数の死傷者を出した。戦後これを引き揚げ、神戸三菱ドックに曳航、改装修理が施され、昭和22年5月30日進徳丸は再興された。当時実習生として乗船していた高等商船学校第二期生らがこれを記念し、真実と自由と友愛の証として、真鍮板に「追憶」を刻し、昭和23年3月10日第一教室(学生食堂)左舷の壁に掲げた。以来、光り輝く青春の象徴として親しまれ、多くの実習生の手により磨き続けられた。(説明板より)

※窓際にあるその説明文の下線の年数が間違っていました。進徳丸が米軍の攻撃を受けたのは昭和20年の7月24日でした。

【関連記事】:進徳丸メモリアル(1)
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by pac3jp | 2010-08-14 06:41 | 帆船  

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