多用途支援艦 AMS4304「げんかい」を見学する

 2010年7月31日(土)姫路港でボクが初めて見る艦種である多用途支援艦「げんかい」の一般公開があったので見学してきた。小型の補助艦艇なのでそう大勢の見学者はいなかったのでゆっくりと見学できた。

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基準排水量:980t
主機械:ディーゼル2基2軸 新潟原動機6MG28HXディーゼル
馬 力:5,000PS
速 力:17kt
発電機:300kw×3
特殊装置:曳航装置、訓練支援装置
定 員:47名 幹部5名(女性2名)曹士42名(女性8名)
主要寸法:65x12.0x5.8x3.5m(長さ、幅、深さ、喫水)

 この艦は「ひうち型」多用途支援艦の4番艦として平成20年2月20日から就役なのでまだまだ新しい感じだ。主な任務は護衛艦艇の射撃訓練の支援の他、消火・救難・離島に対する災害派遣など多目的に及ぶ。

 船型は全長の割りに幅広で艦体の後部は広い甲板になっており、物資の輸送用3/4トントラックや40f・20fコンテナを搭載し災害時の拠点に使われるという。通常時はここに射撃訓練支援の自走式水上標的(通称バラクーダ)を2隻搭載し作業を行う。
 デッキに据え付けられたMax300KNの強力なウインチで動けなくなった艦を曳航することもあることから、機関出力は5,000馬力と強力になっており、自衛艦最大の「ましゅう型」補給艦(満載排水量25,000t)までを曳航できる外洋タグボートでもある。

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 割合高い位置、ブリッジ下の信号旗箱付近で右舷と左舷に太いパイプで繋がった構造物が見えたので係員に聞いてみるとやっぱり減揺タンクだとおっしゃる。一瞬、フインスタビライザーじゃないのと思ったが、ヘリも積んでないしお客もいない、高速航行しないので当然だなと思い直す。この艦では外洋で停船して水上標的や訓練魚雷を回収したり、離島へ災害出動時には沖でアンカリングして救援拠点となるので停船時のアンチローリングこそ必要になるのですね。
 でもカーフェリーが近くを航行するとしっかり揺れていた。システムが動いていないのでなく全ての横揺れをなくすのではなく“減揺システム”ですから・・・。
 神戸港でいつか見たJCGの航路標識測定船「つしま」にも付いていた。

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 ブリッジは小型艦なので小振りだが一番見易い場所に電子チャートとレーダーが並んで据え付けられていた。勿論海図台もあるが若い航海士はこっちが断然便利ですが・・・とおっしゃっていた。ENC連動のオーパイなど航海機器は民用品を使っているという。ステアリングもカッコいいハンドルがついていた。

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 ブリッジの背後は標的管制室がありバラクーダという全長7.23mのRHIB自走水上標的の管制をしている。ブリッジと同じ高さの一等場所で標的を目視、あるいはレーダーで管制しながら相手艦の砲弾が当たらないように操縦するのだ。ボートに搭載されたカメラで前方の着弾もしっかり確認できる。これはラジコンボートマニアなら是非一度はやってみたいだろう仕事だろう。

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 ブリッジの屋上にはこの艦唯一の武器が装備されている。両舷に2丁の12.7mm重機関銃が銃架にセットできる。この「ひうち型」は3番艦までは武器の搭戴はないが4、5番艦には他の護衛艦同様にテロリスト警戒の為か、太平洋戦争時代から使われているクラシックだが今でも信頼できるM2機関銃が選ばれている。でも小火器による攻撃ならば固定設置の船舶消火用の放水砲の方が効果を発揮するかも。

【参考図】クリックすると大きい画像になります。
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 「ひうち型」多用途支援艦の前級は特務艇「81号」型(↑画像)で航空機及び艦艇の救難と艦艇部隊の訓練に対する支援を任務とするもので、昭和43年から48年にかけて5隻が竣工した。この「81号」型は当初支援船として建造されて就役したが、任務行動が近海とはいえ外洋の行動がおおく、また救難活動に備えて待機義務があることから自衛艦籍の方がふさわしいと判断され、昭和52年4月に特務艇に区分変更された。設備としてはデッキにヘリが収納でき、放水銃を持っている。また訓練支援では攻撃目標になったり、低速の航空目標を運用したり訓練海域への輸送を行っていた。(艦船メカニズム図鑑より)

【参考Web】:減揺タンク(アンチローリングタンク)
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by pac3jp | 2010-08-02 17:09 | ウオッチング  

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