翻案劇「サロメ」をみる
出演は篠井英介、森山開次、江波杏子、上條恒彦とたった4人で演じる一幕の音楽劇だが、芸能系に興味がなかったボクには江波さんと上条さんしか顔が出てこない。でも劇場の900程の客席は殆ど埋まっている、それも80%以上は女性である。男性はボクのようにお供で来ている人が多いのでしょうか?(そんなことはないでしょうネ)
戯曲「サロメ」の名は聞いた覚えはあるがもう内容はすっかり忘れていたが、我家のお師匠さんのお供といえども多少の予備知識は要ると思い「サロメは情炎の女?」だと言うことだけ調べておいた。日本での初演は大正時代に島村抱月の演出で松井須磨子が主演したという。三島由紀夫が岸田今日子主演で演出したことも。それらの女優さんの名からも「情炎」というイメージはわいてくるようですね。
翻案劇となっているので元の戯曲とあらすじは大体同じ、演出は日本文化を生かした形での「サロメ」を創るいうことで、音楽はオーケストラのかわりに箏、三味線、鼓、胡弓など和楽器の生演奏で、サロメの衣装は和風ぽくなっていたし、預言者はダンサーが演じる修験者に、その激しいダンスがセリフ代わりになっているだろうか。またサロメが激しい踊り共に衣装を脱ぐ場面があるという。女形が日本舞踊中に・・・、どうなるのかと思ったが心配するほどはなかった。
最後、サロメが狂気?の愛か、その勝手に愛した修験者の生首を持ち演じるシーンでは最近、広島の山奥で現実にあった陰惨な事件を連想してしまい舞台に集中出来ずに困ったこともあったが、1時間半の舞台は和楽器の奏でる音楽に違和感もなくあっという間に終わってしまった。
ボクにとって初めての劇場で、それに演劇を鑑賞するのも久し振りだったが結構面白かった。
サロメ(戯曲)のあらすじ
ユダヤの王エロドは、自分の兄の前王を殺し妃を奪い今の座に就いた。妃の娘である王女サロメに魅せられて、いやらしい目を彼女に向ける。その視線に堪えられなくなったサロメは、宴の席をはずれて、預言者ヨカナーン(洗礼者ヨハネ)が閉じ込められている井戸に向かう。預言者は不吉な言葉を喚き散らして、妃から嫌がられている。預言者との接触は王により禁じられているのだが、サロメは色仕掛けで見張り番であるシリアの青年に禁を破らせて、預言者を見てしまう。そして彼に恋をするのだが、預言者のほうは彼女の忌まわしい生い立ちをなじるばかりである。そして事態は思わぬ方向へ向へ。(ウイッキペディア)
【参考Web】:翻案劇「サロメ」公演概要
by pac3jp | 2009-11-11 16:30 | 映画・演劇