戦艦「大和」の木甲板

 分厚い鋼鉄で建造され、砲弾が炸裂する中で活動する軍艦などは可燃物である木甲板など無縁と思っていたが、日露戦争で有名な日本海海戦の連合艦隊旗艦「三笠」の開戦直前の艦橋を描いた絵画を見ると、東郷司令長官や参謀の秋山真之が立っているのは木甲板だった。

 現在の護衛艦は木デッキは勿論、チーク材で豪華に造作した艦長室などもないでしょうね。
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 でも、戦前は戦艦の甲板は帆船時代からの伝統的で、歩きやすさや甲板下の諸室の保温などを考えて水平装甲鈑上には木甲板が張られてきたという。ちなみにハワイにあるアメリカの戦艦「ミズーリ」にも木甲板が張ってある。

 本物の戦艦「大和」も艦首、艦尾を除く装甲甲鈑に台湾ヒノキの木甲板が張られていた。1/10スケールの「大和」はヒノキだと木目の都合が悪いので木目が詰まって色合いのいい「たも材」になったようである。

c0041039_16273568.jpg ←「大和」の木組みを忠実に再現したという木甲板の端部の収まり具合。
 施工した大下棟梁は終戦のころ呉海軍工廠で少年工として働き、戦後は造船所で船大工としてずっと働いてきた人物だという。

c0041039_1630944.jpg 一方、ボクらが乗るヨットでもFRPを成型しただけのデッキより、チークの木甲板を張るとコクピットの座り心地が良かったり、キャビンの暑さや寒さを防いだり、ノンスリップ効果も大きいのでデッキワークの安全度が増すなどクルージングヨットにとって良いことは多い。

 丁寧に木口を収めたバウデッキ付近。小豆島・岡崎造船製のヨットから。(右上画像)

 チーク合板を張ったヨーロッパのプロダクションヨットのコクピット付近、チーク合板の周りは黒い接着剤で防水処理をしてある。昔のチーク合板は評判が悪かったが、この頃のは中々丈夫そうで剥がれてしまったデッキは見かけなくなった。(右下画像)

 デッキ材も色々でヒノキでデッキを張ってある漁船もあるし、スギやベイマツの甲板を張った船舶はあると思うね。でも、豪華客船はきっと素足でも歩ける磨き上げられたチークでしょうね。
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by pac3jp | 2009-09-15 16:36 | ウオッチング  

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