てつのくじら館(海上自衛隊呉資料館)Part1

 先週、広島・呉港にある「大和ミュージアムと、てつのくじら館」を見学するバスツアーに行ってきた。大和ミュージアムは以前に見学したので今回は展示潜水艦を主に見てこようと思っていた。

 バスでお隣になった来年は80歳になるという話好きのオジサンとおしゃべりしていると、彼は定年後のアルバイトで三菱神戸に定期検査で入ってくる潜水艦の仕事を震災までしていたんだとおっしゃる。潜水艦に入るには狭いハッチから深いハシゴをくだり艦内へ入っていたので、この頃ひざが悪いので心配だなあ、といっていた。

 所で、どんな仕事だったのですかとお聞きすると、主に狭い場所にあるバルブなど部品を取り付けてあるボルト・ナットを外す手間暇がかかる作業で、ひも付きの工具でナットを落とさないように細心の注意を払ってやていたいう。
 ある時、潜水艦の内殻と外殻の間に多数取り付けてあるボンベ(酸素ボンベと彼はいっていたが空気ボンベか)を外すのにバンドを固定してあるナットを狭い隙間に入り苦労して緩めてゆく。 三菱の本工さんは見回りに来るだけ、たまにはナットを落としビルジの溜まる艦底まで探しにいったこともあったとか。
 でも、国の予算が充分ある潜水艦仕事はワシらの時給も良かったし、仕事は面白かったと、むかし話風にあれこれ潜水艦の予備知識を教えてくれた。

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展示用潜水艦「あきしお」
●就 役:1986年03月05日 ●除 籍:2004年03月03日
●建 造:三菱重工神戸造船所
●基準排水量:2,250t
●主要寸法:長さ76.2m×幅9.9m×深さ10.2m
●主機械:ディーゼル2基・エレクトリック1基1軸 
●馬 力:水中:7200PS 水上:3400PS
●速 力:約12kt(水中)約20kt
●船 型:完全複殻式(涙滴型)
●乗 員:約75名
●主要装備:533ミリ魚雷発射管×6門 ハープーンUSMを発射可

「あきしお」は、ゆうしお型 7番艦だが、5番艦は海難事故で有名になってしまった「なだしお」がいる。

 潜水艦は港で停泊していたり沖で出会うことはあったが、このように下から見上げたことはなかった。滑らかな艦体がペンキで光っている。船底塗料だとそこまで光らないと思うが、陸上構造物になってしまったので建築用の塗装になったのだろう。しかし、あまりにもつるつるしていて変だなと思ったら外殻の隙間は溶接され、多分付いていたはずの無反響タイルも付いていないが、世代が古いので無いのかもしれないなあ。

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 艦首の下に丸いマッシュルーム型のアンカーが置いてある、その上を見ると艦底の丸いへこみにアンカーを収納する場所である。あまり効きそうにないアンカーだが、錨泊することなどきっと少ないのだろう。後に回ると本来はスキュード・プロペラがあったはずだが、イミテーションの小さい5翼のペラが取り付けてあった。↑の画像右側

c0041039_1012591.jpg 海上自衛隊呉資料館の3階から潜水艦の中に入る。心配したハッチからのタラップでなく大きな入り口が用意されていた。大型護衛艦に入るような感じで艦内に入ると、多少狭いが水密ハッチや頭上に注意すこともなく発令所に着く。潜水艦に乗ればまず触ってみたいのが潜望鏡だろう。メーカーはニコン、戦艦大和ではニコンの大測距儀が有名だが海自の潜望鏡もニコン製だった。軍用光学兵器は昔からニコンが信頼されていたのでしょうね。
 ここでは2本ある潜望鏡の内、1番のハンドルを握って接眼レンズを覗くと対岸の呉港に泊っている護衛艦がくっきりと視野に入る。「魚雷発射!」「急速潜航!」と小さくつぶやいてみる・・・。
しかし、危険なのか潜望鏡の上下動はしないが、足元の透明な床板を通して長い収納シャフトは見える。階下は魚雷発射管室である。画像は1番潜望鏡。

c0041039_10135763.jpg 潜望鏡の前は潜水艦の操縦席だ。ジョイスティックハンドルが2組あり右が潜航と横舵、左が縦舵を受け持ち2人で操縦する。1人でも出来るようにはなっているが、「おやしお」型からは1名で操縦するようになっている。

 コクピット中央に設置された緑色のモニター上で、時計の下側にある2個の丸い計器が深度計で、これは軍事機密なので数字がないダミーのようだ。(一説によるとゆうしお型の安全潜航深度は430mといわれている。)


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by pac3jp | 2009-09-08 10:20 | ウオッチング  

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