セールドライブを補機にしたボート

 近くのバースにいらしたヨットのオーナーさんは以前から南西諸島など、ロングクルージング志向の方だった。

 彼はヨットではいつも機帆走でクルージングしていたし、風がよくても真上りだったり波が高ければ出港しない。それに最近はセールの出し入れもチョット「しんどい」など考えていると、何もクルージングヨットにこだわらなければロングのクルージングもできるトローラなどのボートに乗り換えても自分の遊びとしてはそう変わらないだろうということになったようだ。

 ドルが安くなった時期を狙ってアメリカ製のタグボート「Nordic Tug 37」を注文したと聞いていたが、ボートビルダーの船台が空いていたのか割合早く新艇が届いていた。

 最近、そんな彼のボートを少し見せてもらった。名前は「タグ」だがスタイルは「グランドバンクス」などと同じようなレイアウトで豪華なキャビンに贅沢な装備も付いている。

c0041039_1344979.jpg全 長:12.19m
重 量:10.250kg
燃 料:1,226L
清 水:545L
主 機:ボルボ370hp×1
レンジ: 1,000 NM @ 8 knts
(varies with load and cruising conditions)

 デッキにライフラフトとEPIRB、衛星電話までちゃんと装備されていたので全沿海区域は航行できるようだ。7月のトカラ群島皆既日食にも行きたいとおっしゃっていたのでボートに変わっても南西諸島にアプローチするフネの準備は整っているのだ。

 主機は高速のフィシャーマンと違ってディーゼル1基である。軽油1.2トンの満タンで8ノットならば1000マイル航海できるとカタログデータにあるが、もし故障したら困るので補機をつけたとお聞きした。
 小型のモーターボートのスターンによく小さい船外機を載せているのを見たことはあるが、このフネはボートビルダーも初めての工事だったという、セールドライブ(ボルボ・D1-13 11.8Hp)を補機として左舷オフセンターに付けたとおっしゃる。非常の場合、これで、静かな海面ならば5ノットで航行可能になるそうだ。
 でも通常の航海中には補機のプロペラが邪魔になるでしょうね、そうか、フォールディングペラをつける手もあったなぁ。

c0041039_1362171.jpg

 船検ではボート内の船内主機エンジンは機関室に据付られている物で、スターンロッカー内に別のエンジンが据え付けられたらそのロッカー自体にエンジンルームの要件を満たす消火設備などを設けなければならないと指示されるなど中々難しかったとお聞きした。
 確かにアフターデッキ下にあるエンジンの消火設備もさることながらエンジンに海水が被らないような防水ハッチも完全なものが必要になる。

 先月も沖縄・残波岬の沖で大きさの違う3隻グループの機帆走ヨットと行き会った。大きい方は40fクラス、小さいほうは30f位だが、大馬力のエンジンを搭載しているのか、波を蹴立て他のヨットと同じ速度で北を向いて走っていった。

 ボク達の沿岸クルージングは殆どが機帆走だ。そして、スキッパーの多くは、もしエンジンがトラぶればセーリングしながらなんとかエンジンのリカバリをしてと少し甘く考えているだろう。それにヨットのエンジンは補機だとして整備もそれなりだったりするもんね。

 でも、ボートに転向し、航行中にエンジンが止まれば最後ですよ。ヨットマンの甘えは捨て、フネの完璧な整備と、もしもの時のリカバリのスキルをしっかり身に着けることが必要ですね。

 補機のセールドライブはとても高そうですから!!
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by pac3jp | 2009-06-18 13:12 | ボート  

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