川崎造船の進水式

 3月18日には三菱神戸造船所で大型コンテナ船の進水式を見学して、引き続いて3月31日に神戸港のもう一つの大型船造船所である川崎造船で55,000トン積のバラ積運搬船の進水式を見学してきた。

 川崎造船は神戸港内からドックや船台を裏から眺めたことはよくあるが正門から正式に入るのは今回が初めてだった。その日進水する船はシリーズで同型船が数多く建造されていて艤装岸壁にはいつも同じ船が作業しているように見えていた。

c0041039_1013897.jpg 進水式がある第四船台に行くとクレーン下の狭い通路が一般見学者の場所に指定されている。船首側には紅白の幔幕が張り巡らされバウの下部は見えなくなっている。幔幕が途切れたところから少し船尾よりはもうロープが張ってあり通行禁止になっている。三菱に較べて一般見学者の観覧席は大分狭いようである。

 船台に乗った船を滑らす方法は会社によって違うのか確かめたくて、近くの社員スタッフに「ローラーで滑らすのですか?」とお聞きすると、それは三菱さんで、ここでは「滑らすのにはせっけんを使っている」とのお返事。お風呂で使う石鹸も濡れるとヌルヌルして銭湯などで誤って足で踏みつけたらすってんころりと転倒は間違いないほど良く滑るし、海水汚染の問題はない。グリスでもよさそうだが海面がオイルで汚染される恐れがあるからなぁ。進水方法も造船所によって様々のようだ。

c0041039_1024266.jpg バウの左右に大きなアンカーがぶら下がっている(左画像)。一見、進水後の本船のブレーキに使うのかと思ったが、進水時にバウを支えた船台を水中に入ってから船底から引き離すアンカーらしい。船尾よりの両舷側に大きな錘が5個ずつぶら下がっている(下の画像)。これを投入して船足を止めるのだという。

 時間がやってきた。式典は国歌演奏・国旗掲揚からオーナー会社の社長が「KOMATUSHIMA STAR」と命名し、引き続き令夫人か、あるいはご令嬢が支綱切断となるところだがアナウンスはご母堂がそれを取り仕切るといっている。こちらからお顔は見えないが社長の年齢から考えても大分年配の女性だろう。独身のオーナーならそうするのが恒例かも知れないが、色々と下世話な憶測してしまった。

c0041039_103513.jpg 川崎造船の第1615番船の進水作業は笛の音と腹砂盤木を外す「ダーン、ダーン」という音とともに進み、オーナーご母堂の支綱切断で巨大な船体が動き出し、クス玉が割れ、船首は五色の紙吹雪に包まれ、子供たちの歓声に送られながらゆっくりと神戸港に滑り込んでいった。

 このバラ積運搬船は徳島の海運会社の船なのでオーナー地元のお客さんが大勢乗ってきたのか徳島ナンバーの観光バスが近くに駐車していた。
 工場を出てハーバーランドの岸壁まで歩いてくると、港内ではさっき進水した船をタグボートが方向転換させ、艤装岸壁に曳航してゆくのが見た。船台で見上げていたら大きいのはよく分かるが、長さの実感はない。でも横から見ると随分長く見えるもんですね。

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 このように大勢の祝福を浴びて進水する船もある一方、関係者だけで密やかに進水するフネもある。昨年の10月15日、同社神戸工場第一船台においてAIP潜水艦の2番艦「うんりゅう」が進水した。防衛省によると1隻の所要経費は約604億円(後年度負担額を含む)という。
 基準排水量2,900トンの小振りな艦体だけでも350億円以上もするので造船所にとってはきっとドル箱でしょうね。会社は商船の建造で発生する損失を潜水艦の儲けで穴埋めしてるなど聞いたことがあるなぁ。

【関連記事】1:3月18日 大型コンテナ船の進水を見学する
      2:新鋭AIP潜水艦 501「そうりゅう」
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by pac3jp | 2009-04-15 10:11 | 貨物船  

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