地球深部探査船「ちきゅう」見学 番外編

 前2回の記事で深海底の掘削装置と採掘されたコアの難しそうな研究の一部をご紹介したが、今度は門外漢のボクがこれなんだろう?と思ったもの3件をご紹介する。

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 まず、「ちきゅう」の傍によると後部デッキサイドから太い浮力体が付いたホースが幾本も出ていて、上部デッキのホースハンガーらしきものに引っ掛けられている。そして少し前方には船内から太いパイプが船外に伸びていて、その先は頑丈なゴムホースに繋がり端は手すりに止めてある。
 本船は停泊すると給油・給水それに陸電を給電するホースや電源ケーブルなどをつないでいることはあるが、大抵は船側に各種接続口がありホースをぶらぶらさせていることはない。画像は左舷の岸壁側だが、ヨットで沖から眺めても右舷の同じ位置にもホース類のハンガーがあった。

 近くにいた女性クルーにホースの用途を聞いてみるとセメント、水、燃料など用です、と教えてくれた。油と水は普通だが、そうか、海底に穴を掘るとパイプを固定するのに大量のセメントがいるんだ、とあの太いホースを見て納得する。

 「ちきゅう」がライザーパイプで掘削中は海底と直径50センチもある太い金属パイプで繋がっている。流されたら全てパーだが、船はGPSやその他の位置センサーで6基のアジマススラスタを制御して風波や黒潮などの潮流をものともせず、ちゃんと定位置を保っている。

 一方、数ヶ月にも及ぶ掘削では人員はヘリで交代し、燃料や水、セメントなど重い物資は補給船が運んでくる。補給作業は「ちきゅう」に横付けして積みかえれば良いと思っていたが、そうではないらしい。補給船が接舷すると本船のコントロールが難しくなるため為、同じDPS(自動船位保持装置:Dynamic Positionig Sistem)を装備した船でなくてはならないらしい。そうか、舫いを取らずに積み替えるのだ。そのためより条件のよい舷側から補給するため、両舷にホースが用意されているのかな。このホースは航海中も舷側にセットしたままのようだなぁ。

c0041039_1736963.jpg もう一つ、岸壁から「ちきゅう」を見上げているとデリックエリアの一部分だけ木製の大きな壁がある。船内の居住区も鋼板白ペイント仕上げで防火完備のオイルリグのようなフネなのに何故ここだけ可燃物の壁になっているのだろうと不思議に思った。
 赤いユニフォームを着た掘削チームの持場らしいので近くにいたリーダーらしい人に聞いてみると、「あれはドリルパイプを海底から次々と引き上げてゆく時、まず、壁に当ててパイプを揃えてゆくためだ」という。「木製の壁だと柔らかいので当ててもパイプに損傷が起きないからね。木の壁は寿命がくれば張り替えるのも簡単だよ」とおっしゃる。それはそうだ、それに機械装置ばかりの中でこの木質の温かみはとっても気分がいいね。

c0041039_17363480.jpg 最後の1件、この「ちきゅう」は150人が乗組む船舶なので左右4艇と船尾に1艇の5艇の救命艇が搭載されている。画像の30フィート75人乗りの救命艇は3番艇なので右舷の前から2番目に装備された救命艇だが、上から見るとキャビントップにダビットからやり出したポールから細いセンサーのようなワイヤーリードが艇内に引き込まれている。何のためのリードだろうと一瞬考えていたが、見学の行列に押されて通り過ぎてしまった。今、画像を見てもよく分からない。これからも救命艇を上から眺める機会は割合少ないけど・・・でも、まぁいいか。
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by pac3jp | 2009-02-21 17:38 | 特殊船  

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