ソマリアの海賊たち

海賊対策:ソマリア沖海自派遣 首相、来週準備指示--公明も了承
      
 東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、自民、公明両党の与党プロジェクトチーム(PT)は22日、自衛隊法に基づく海上警備行動発令によって海上自衛隊の護衛艦を派遣するよう政府に求める中間報告を正式決定した。公明党も22日の中央幹事会などで了承、27日の与党政策責任者の会合を経て麻生太郎首相に提出する。首相は来週、海自派遣に向けた準備を指示する方針だ。(毎日新聞 2009年1月23日)


 やっと日本もアフリカ・ソマリア沖に海上自衛隊の護衛艦が派遣されるように決まったようですね。でもまだ出港までには少々準備がかかりそうです。Webでは日本に80機もあるP3-Cをソマリア沖でも飛ばす計画もあるとか書いてある。外洋海軍を目指す隣国中国はもう自国船や台湾籍の船舶まで護衛していると報道されている。

c0041039_1040488.jpg 昨年末、ボクの仲間のお一人もマレーシアからインド洋を横断し、危険なソマリア沖の海賊たちの狩場がある海を通り、世界一周のクルージングを計画しているチームに入るかどうかと大いに悩んでいた。が、ついに彼は参加を断念したのだが、ヨットは予定通りにクルージングに出航したと悔しそうな声で現地から電話があった。 今回、ヨット側も自衛艦の護衛は全く当てにしてないだろうし、軍艦も6ノットでろのろ走るヨットより高速で巡航する豪華客船「飛鳥」などの護衛の方がきっとやりがいがあるだろう。

 でも、フランスのヨットがソマリア海賊に捕まり「身代金100万ユーロ」を要求されたとき、サルコジ大統領は、「国民の命を守るのがわたしの使命だ」と救出の指令をだし、ヘリからハイテク装備の特殊部隊を降下させヨットの海賊を制圧し、フランス人夫婦を救出した例もあるが、日本の麻生さんではちょっと無理みたいだなぁ。

 各国が海賊対策で軍艦を派遣しているが、ソマリアの海賊たちも言い分はあるようだ。(「海賊物語」より要約)

 ここは最高のインド洋本マグロ漁場のひとつなのです。だから、世界中から漁船がやってくる。だが、内戦によってソマリア国内の警察力が機能しなくなってしまったため、獲り放題の乱獲がはじまった。外国船の多くは、漁業の免許もたず、勝手にやってきて延縄を張り、魚をさらっていく。 また、豪華なヨットで遊び回るお金持ちたちは、平気でゴミを海へ捨てていくのだ。

 そこで、密漁者を取り締まるために、そしてゴミを不法投棄する環境破壊者たちを「こらしめる」ために、漁民たちは自警団をつくり、不法漁船から「税金」をとりたてることをはじめたのであります。 だが、自警団は次第に欲が深くなっていく。領海内だけでなく、公海にも出っぱり、めぼしい船を手当り次第に攻撃して、金品を略奪し、人質をとり、身代金を請求する。被害船の船主たちはクルーたちの命には替えられないと要求額を払う。これがパターン化していって、文字通りベンチャービジネスとしてビジネスモデルが出来上がってしまった。

c0041039_10413360.jpg 彼らはそれぞれにしっかりと組織を作り上げ、いまはほぼ1000人くらいのフルタイムの海賊がいるらしい。さらに、個別の「海賊業者たち」の寄り合い団体とでもいうのでしょうか、海賊協会?もできあがった。

 そこにはプレス担当がきちんといて、「ジャーナリズムのみなさん、わたしたちについていろいろな話をお聞きになるでしょうけど、わたしの発表だけが正式です。わたしが正式な報道官なのです。わたしのお伝えすることだけが、わたしたちの公式発表なのです」という具合である。
 そのプレス担当が、船にいる海賊たちを代表してジャーナリストと電話インタビューをした記事がありましたが、これは傑作だった。

 「わたしたちは誤解されているのです」と言う。 「わたしたちは海のごろつきなんかではないのです。我が国の海域に入り込んできて不法に魚を捕っていったりゴミを捨てたり、今度みたいに武器を抱えてやってくる奴らの方がよほどごろつきだと思いませんか。わたしたちはそんな不心得な連中を見張るためにパトロールしているのです。わたしたちは沿岸警備隊なのです。」

 米軍やロシア軍を敵に回して勝ち目はあるのですかと聞かれて、「ひとは一度は死ぬのです。とりあえず今日は天気もいいし、船の上は穏やかですからね。みんないい気分です」との返事。

 そして、「わたしたちはただオカネが欲しいだけなのです。わたしたちは貧しいのです。食べるものにも困っていて、おなかがぺこぺこなのです。だから海賊行為はわたしたちの基本的人権・労働権の行使なのです」

「おなかがへっているだけで2000万ドルというのは多すぎませんか」との質問に、スポークスマンは、「わたしたちは大家族なのです。家族を養うためには、やはりオカネがいろいろとかかってしまうのですよ」と。

全文はこちら→「海賊物語」です。

 日本から遥か遠い東アフリカのニュースは二千万分の一の地図でみるせいか海の広さや距離感がよく分からない。アデン湾など大阪湾くらいと思っている人はまずいないと思うが、海賊出没エリアをざっと測ってみると奥行き1000km、最大幅では320kmもある大きさで本州の面積より大きいくらいか。
 またソマリア半島沿岸も首都のモガディシュからアデン湾入口まで1300kmもある。こんな広い海域に出没する海賊をやっつけようとするのは大変難しい。海自も当分はスエズを経由する重要船舶のシーレーン護衛が主任務になるのでしょうね。

【関連記事】:インド洋クルージングの話 
【関連記事】:インドネシアに巡視艇3隻の引渡し 
[PR]

by pac3jp | 2009-01-24 10:52 | ウオッチング  

<< いつも「In the pont... デッキカバーを繕う >>