矢印棒の使い道

c0041039_1454770.jpg ボクも最初にこれを見せられたときには「さぁ・・・何だろう?」と思いました。多分、普通のヨット乗りは分からないでしょうね。長い海上勤務のご経験がある本職の船乗りか、あるいは「元」がつく船乗りさんしかご存知ないだろうと思っていましたが、やっぱりでした。

 これは錨を揚げるときブリッジから見えない錨鎖の方向と角度を示す道具でした。
 投錨時にも使うのかも知れませんが聞き忘れました。

 クイズということで4人のヨット乗りがそれぞれに独自の見解で解答していただきありがとうございました。今回の正解は「元」が付くKMSさんが正解でした。

 やっぱり、経済原理が働く一般商船では船首とブリッジの連絡はもう皆さんトランシーバーでしょうね。リモコンのビデオカメラでもブリッジから錨鎖は確認できそうですから巨大船などはそうなっているのかな。

 一方、船の歴史をみると軍艦は常に最新のテクノロジーを使って建造し、省力運用されているんだとボクはそう思っていたが、意外に各国とも海軍は保守的で充分こなれたテクノロジーを採用し、伝統的な運用をしていると何かの本で読んだことがある。

c0041039_1463944.jpg 日本海軍の伝統を引き継ぐ掃海艇の錨鎖用の矢印棒も、もう商船では使っていないというが、最近Webで掃海母艦「ぶんご」での投錨作業という画像を見つけた。
 それには「錨が出ていく長さを旗で艦橋に知らせる隊員」と説明がついていた。排水量5700トンの軍艦で160人も乗り組んでいるんで、甲板作業にも充分の人数も配置できるし伝統ある運用も可能なのだ。
 でもよく画像を見ると前を向いている隊員はヘッドセットのようなものを装着している。インターコムでブリッジとは普通に連絡は取れているのだろう。


c0041039_1471713.jpg 軍艦と商船の違いは非常時の対応だろう。有事の際、もし、有線故障や無線封鎖で電気系が不通になっても視覚信号なら連絡がつく。そう思って考えると、護衛艦も掃海艇にもマストに二組のかご型速力標(左画像)がついている。これはフネが編隊行動するときに僚艦に無線を使わずその速力を示すものだ。

 もう一つは探照灯で行う発光信号だろう。船舶はタイタニック号以来、非常の際は無線通信士がSOSを発信し、全船舶に救助要請をしたが今は機械が自動的に遭難信号を発信するシステムに変わってしまい、無線通信士は職を失ってしまった。その発光信号はモールス信号を使う、日本船は和文コードで打つ、でも無線通信士が乗り組んでない商船は誰もモールスを打てないし、受信もできないだろう。でも手旗信号は出来る? 
軍艦には専門の通信兵がいるので発光信号も問題ない。

c0041039_14114564.jpg 視覚信号でも国際信号旗を使う旗りゅう信号は航路の航行時など法律で定められているので一般商船も使っているが、海自ではそれに加え独自の旗やNATO軍共通の信号旗もあわせて使っているという。上の「投錨の画像」で隊員の持っているのは軍用数字旗の「1」である。

 映画のクライマックスシーンで主人公が音や光でモールスを打って助けを呼び、窮地から脱出する場面がよくあるけど、本当に使えるならヨット乗りの素養としてもう少し勉強しようかと思うが英文は苦手だし、和文モールスは挫折の経験があるからなぁ・・・。
 ま、非常時は船検備品のN・C旗を揚げマリンVHFでじっと救助を待つことにしますか。
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by pac3jp | 2008-12-19 14:17 |  

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