オーストラリア艇「シャドー・オブ・ローレライ」を訪問する

 11月15日(土)に2隻のロングクルージング中のヨットが入ってきたので、まず、近いほうからとフランスの「NEOS」号を先週に表敬訪問した。今週にはオーストラリア艇と思っていたのにビジター桟橋に姿がない。どこに行ったのかと思っていたら、ちゃんと2隻ともお隣のメンバー桟橋に停泊していた。

 沖にいたボクに仲間から「オーストラリア艇から4時にコーヒーでも飲みに来たらと招待された」と連絡があったので、急いで帰り、一緒に彼等のヨットを訪問してきた。
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 ヨットは「シャドー・オブ・ローレライ」アメリカのプロダクションヨットでロード・ネルソン41、長いバウスプリットを持つクラシックなカッターだ。1986年に台湾のオーシャンイーグル造船所で建造されたフネを2005年から乗っているという。

船体長:41ft バウスプリット:10ft 全幅:12ft6in 吃水:5ft8inのフルキール
清 水:750L 燃 料:500L エンジン:ヤンマー4JHクラス 母港はオーストラリヤのブリスベーン

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 このヨットのコクピットは大きく頑丈で快適そうなフルドジャーで包まれている。前方、コンパニオンステップの上部のみハードトップになっていて熱帯地方では全周が開放できるようになっている。これから冬に向かう日本でもドジャーをしっかりと閉めると温室のように暖かいだろう。

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 キャビンは台湾ボートらしく木部が多用された重厚なインテリアだ。壁には長いクルージング歴を示すように写真や伝統的な面などもきれいに飾ってある。小顔で美人の奥さんが皆にコーヒーをいれてくれる。
 オーナーに、さぁこれから詳しいお話を聞こうとすると、彼は分厚いゲストブックを出してきてパラパラと繰りあるページを開いて見せた。それはKAZI誌が今年5月に福岡・小戸YHで取材をした記事の切り抜きだった。それを読んで貰えば自分たちのクルージングは分かるだろうという感じだ。確かにどこの港に入っても聞かれることは同じだろう。もうメンドクサイという気持ちもよく理解できる。

 彼らのクルージング歴は長く、38歳でリタイヤ(なんとも早い!)して以来、20数年間で3代のクルージングヨットをベースにし、空路も含めて世界82カ国を訪れたという。

 装備についてもお聞きすると清水は今のタンク容量(750L)で充分だし、造水器はメンブレンの性能に疑問があるので使わない。電気はソーラーパネルがあるのでジェネレーターは不要。ナビゲーションはC-MAPともう一種類の電子チャートはお使いだが航海エリアで必要な紙チャートは全て用意してあり、シート下のチャートロッカーに400枚も保管してあると言い、自宅倉庫にはまだ他のエリアのチャートも沢山持っているとおっしゃる。彼のナビゲーションはヨットと同じくクラシックなチャートワークが原則みたいだ。ボクも航海は紙チャートがメインで電子チャートはバックアップと考えているので宗旨は同じようだなぁ。

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 通信設備は長距離用のSSB(icomM700pro)と近距離のVHF、それにsailmailのためのPactorⅡはチャートテーブルの周りセットしてあったがパソコンはtoshibaだと聞いていたが収納されていて見かけなかった。ダブルエンダーの船尾にはウインドベーンが付いている。内海では当然オーパイでしょうが外洋では電力不要のこれをお使いになるのだろう。

 日本のノリ網について聞いた時にこんな話をしてくれた。ずっと前、彼らがまだタヤナ37に乗っていた頃、東南アジアの海を夜間に次々と現れる網を交わしながら航海していたとき、ブイについたストロボライトの列がいつまでたっても続いているように見えて、これは長い網だと思っていた。
 だが、朝になるとどうも一晩中、キールとラダーの間にロープが挟まり動けなかったようだ。穏やかな天気が幸いしたが太いロープをラダーから外すのはダイビングセットの助けを借りても大仕事だったという。

 そんな事故の戦訓で彼はヨットのキールからラダースケグの間にステンレスロープを渡し、もし誤ってロープに乗ってしまってもラダーに挟まないようにしたらしい。今のロード・ネルソン41はフルキールなのでロープに乗っても安全だと胸をはっていらしたが・・・。

 これからの予定は、12月に一度オーストラリヤに帰国、少々ビジネスをして再度来日、今度は中部~関東方面に向かう。その後、来春には銚子からダイレクトでバンクバーに渡り、あと、アメリカ西岸を南下するクルージングになるらしい。KAZI誌の記事によると彼らのクルージング最終目的地は地中海に入りイタリア系オーストラリヤ人であるオーナーのご先祖が住んでいたローマ近郊の町を目指すのだという。
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by pac3jp | 2008-11-26 14:16 | ウオッチング  

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