新型、省エネ船のプロペラ

 神戸港の西側、和田岬には三菱重工・神戸造船所がある。そのポンドでは数隻の潜水艦が艤装工事や定期検査だろうかひっそりと泊っている。その向うの船台にはこのところNYKの大型自動車運搬船が連続で建造中である。

 地元新聞が地球温暖化防止のキャンペーンなかで人々の暮らしを支える裏方の世界でも省エネ対策が着実に進んでいると自動車運搬船の新型推進システムを紹介していた。
c0041039_9325152.jpg それは画像でも分かるがプロペラの後、舵スケグの前に省エネにつながる「ステータフィン」と呼ばれる固定の羽根車を取り付けている。
 これは通常、船舶が航走することにより捨てられるエネルギー(プロペラ回転流)を回収して推進効率の向上をはかる装置で、ボルボペンタ搭載のモーターボートでもよく使われていて皆さんご存知の二重反転プロペラ(CRP)は最も効率よく旋回流を回収できるが、複雑・高価なため一般の貨物船には用いられていない。それに比べ「ステータフィン」は、CRPの後方プロペラを固定したものでCRPと比較して簡便・安価である。そしてこの翼のデザインは複雑な計算で割り出したもので三菱重工の特許になっているという。

 ステータフィンとはプロペラ後方の舵に設置してプロペラ回転流を回収する、高速・痩せ型船に適用可能な省エネ装置である。自動車運搬船を対象に、ステータフィンの設計と、理論計算及び模型試験による評価を行った。さらに、実船において、速力試験のほかに、信頼性及び性能の確認とステータフィンの基礎データ取得を目的としてフィンの応力計測、振動計測及び作動状況観察を実施した。その結果、省エネ効果のほか、強度・振動面で問題の無いことを確認した。当社建造の自動車運搬船では、ステータフィンが標準装備となりつつある。今後は、コンテナ船等、さらに高出力主機装備船への適用を検討していく。(三菱重工技報より抜粋)


c0041039_9341839.jpg 一方、省エネ推進装置のなかでも高級なシステム、ハイブリッド型CRP ポッド推進方式(イメージは左画像)は 2004年6月に就航した新日本海フェリーの総トン数16,800トン、最高速力32ノットの“はまなす”“あかしあ”に採用され、この2隻は在来型の2軸推進方式を採用した場合と比較して13 %の燃料消費量低減を達成し、運航コストの改善とCO2 排出量の削減に貢献しているという。だが残念なことにこれらの船の主要機器は大型クルーズ客船で実績のある外国製だった。

ディーゼルエンジン:フィンランド  ワルチラ 12V46C 12,600kW×2基
電動ポッド推進器 :フィンランド  Azipod  17,600kWx1基

 ポッド推進器とは、ポッド状の容器の中にモータを組み込み、モータに直結したプロペラを駆動させる推進ユニットである。“あかしあ”はポッド推進器を主プロペラの軸心延長線上に配置して、主プロペラとポッドプロペラを1組の二重反転型プロペラ(CRP)とするよう近接して配置している。近接した2つのプロペラをお互いに反転させることにより、プロペラ回転流回収効果が得られる。主プロペラは可変ピッチプロペラで、クラッチ付き減速機と中間軸を介して2基の中速ディーゼル主機関により直接駆動される。後方に位置するポッドプロペラは主発電機からの電力によりポッド内の電動モータで駆動される電気駆動式である。(三菱重工技報より抜粋)

 地球温暖化防止のためにヨット乗りは何をすればいいのだろう。ヨットの省エネって、何だろうと考えてもやっぱり、エンジンに過度に頼らず今まで以上に風の力を利用してフネを走らせることでしょうね。僅かな風でも前進力にする良いセールと抵抗の少ない船型、レースで早いXヨットみたいなフネが良いのかなぁとも思うが、でも、やっぱりセーリングの腕を磨くのが一番か。

【参考Web】:PDFファイルです→高精度パネル法を用いた高性能ステータフィンの開発
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by pac3jp | 2008-11-21 09:49 | 貨物船  

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